サルには実害、ヒトには風評被害?

福島原発周辺で「動植物異常」相次ぐ
チョウやニホンザルなどに異常、研究者が被曝影響と指摘


福島市や全村民が避難を余儀なくされている福島県飯舘村など、福島第一原原子力発電所からの放射性物質で汚染された地域で、動物や植物に異常が多く見られることが研究者による調査で明らかになった。


全文こちら(東洋経済)

 かなりの長文なので最重要の部分だけを一部割愛すると (文意が変わらない程度の加筆・編集あり)

チョウ


 事故から2カ月後の2011年5月および半年後の9月に福島県などからヤマトシジミを沖縄に持ち帰ったうえで、子ども世代や孫世代まで飼育を継続。

  • ほかの地域と比べて2011年5月に採取した福島県内のヤマトシジミでは、羽のサイズが小さい個体が明らかに多い
  • 地面の放射線量と羽のサイズを比較したところ逆相関が見られ、線量が上がっていくにつれて羽のサイズが小さくなる傾向が見られた
  • 捕獲した個体の子どもについて、福島第一原発に近い地域ほど羽化までの日数が長くなる傾向が見られ、成長遅延が起きていた
  • 沖縄のエサを食べた個体と比べ、福島県内の個体は死に方でも明らかな異常が多く見られた


この上で「(生体の)微妙なバランスが狂ってしまうと死亡率が上がるのではないか」と結論づけている

 たった2ヶ月の被曝期間だけで有為な差が生じてしまうほど「強烈な被曝」をしていたようです。
 逆に言えば、最初の数ヶ月だけでも大規模に避難していればマシだったはずなのに、4末になってようやく「危険だ」ということで避難を開始した街もありましたが・・・

ウグイス


 福島県阿武隈高地の中でも特に放射線量が高く、現在、「帰還困難区域」に指定されている浪江町赤宇木地区(福島第一原発から約25キロメートル)で2011年8月に野生のウグイス4羽を捕獲

  • うち1羽から今までに私自身、ウグイスでは見たこともないおできが見つかった
  • 350羽あまりを捕獲した経験のある石田准教授が驚くほどの病状
  • 捕獲したウグイスの羽毛は、セシウム134と137を合わせて最高で約53万ベクレル/キログラムもの汚染

ニホンサザル


 2011年4月から2013年2月にかけて福島市内で捕獲された396頭のサルと、青森県で2012年に捕獲された29頭を比較

  • 土壌汚染レベルが高いところほど、体内のセシウム蓄積レベルも高い傾向がある
  • 土壌の舞い上がりが多い冬期に、体内の濃度が上昇していることも判明
  • 青森県のサルからはセシウムは検出されなかった
  • 福島市内のサルは外部被ばくは年間数ミリシーベルト程度、内部被曝量も10ミリグレイ程度にとどまるとみられるにもかかわらず、ニホンザルの正常範囲より白血球数、赤血球数とも減少しており、白血球は大幅に減少していた
  • 2011年3月の原発事故以降に生まれた子どものサル(0〜1歳)は汚染レベルと相関するように白血球の数が減っている。造血機能への影響が出ているのではないか。
  • 現在の福島市内のサルの被曝状況は、チェルノブイリの子どもたちとほぼ同じ水準

 遺伝子の95%くらいが一致するヒトとサルですが、それでも「ヒトはサルとは違う」とシラを切るつもりでしょうか?


 サルにとっては自身の身に起きた異常の原因が被曝であるとは思いもよらないでしょうけど、サルよりも二回り以上も賢い頭脳を持った(はずの)ヒトが「フーヒョーヒガイ」って連呼する様は滑稽を通り越して、もうどう言ったらいいのやら。


 今のフーヒョーヒガイという言葉は、「これくらい放射能で汚れてても健康に害がないはず」という前提のもとにして「これくらいの放射能汚染で他の産地と差別するのは風評被害だ」という風に用いられますが、実のところ前提としている部分がデタラメだからタチが悪い。


 「福島の人たちに健康被害が出ないはず」というのも「チェルノブイリよりも事故の規模が小さく、放射能の放出量も少ないから」ということを前提にしていますが、これもまた前提がデタラメ
 確かにそうだと良かったのですが、実際はチェルノブイリを遙かに超えてます。


 福島に点在するモニタリングポストは周辺だけ徹底的に除染してあるので、あのモニタリングポストの値は、「この付近を徹底除染したときの限界線量」と読み替えるべきなのであり、普通の生活をしてればあれの倍の被曝を受けるんですが、いろいろな意味での壮大な社会実験をやっているとしか思えません。



 メルトスルーした核燃料は地下水とツーツー(阿武隈山地から供給される地下水で辛うじて冷やされている状態か?)で、今もなお外洋に絶賛拡散中だと思われるため、うちでは4月から、養殖以外の魚介類は原則ストップしました。
(主に Sr90 の累積蓄積量を少しでも減らす目的でありゼロを目指すわけではありません)


 魚介類の生物濃縮はこれからが本番です。
 逆に言えば、3月までは魚介類に関してはさほど気にしてませんでした。
 まだもう少しは大丈夫かもしれませんが「これからも濃くなる一方」で間違いありませんし、魚は自由に泳ぐので警戒すべき範囲はどんどん広がります。


 確かに鹿児島産・ノルウェー・チリ産とかであれば大丈夫な確率が高いのですが、あれは漁獲地ではなく船籍(日本の場合は水揚港)なので、ノルウェーに船籍を持つ船ならば日本近海で操業しても「ノルウェー産」になりますし、「ノルウェー産」であれば検査すらされません。
 外れ個体を引く確率は決して高くはないものの、外れを引いた時のダメージが計り知れないので仕方ありません。


 風評被害
 馬鹿いってんじゃないよ。船籍や水揚港で産地表示することのほうが狂ってるんだよ!


 それ以前にフクイチの地下で何が起きてるか、死刑囚つかってでも調べて来い!