鉛蓄電池は粉を噴く
50W なソーラーパネルを車のルーフレールに設置し、車載のサブバッテリーに(簡易)MPPT充電させてます。
その電気はエンジンを切っても給電されるので、車載のモバイルルーターやガイガーカウンターなどの 24h365d 通電させっぱなしの機器のほか、携帯やスマホやハンズフリーイヤホンの充電にも役立ってます。
今のセットは4代目でして、
世代 | バッテリー | 充電方法 | 結末 |
初代 | 秋月12V12AH | 秋月鉛蓄電池充電キット | 過放電させまくって終了 |
2代目 | サウンドハウス12V9AH×2並列 | 自作のmbedベースMPPT充電器(未公開) | 爆発寸前に膨らみ終了 |
3代目 | 同上 | 自作の降圧型簡易MPPT充電器 | 同上 |
4代目 | 秋月12V12AH×2直列 | 自作の昇圧型簡易MPPT充電器 | 後述(今回の話題) |
という変遷を経てます。
(ワンポイント)
充電部分を自作される場合、MOSFET×2な同期型じゃなくてダイオードを使った 非同期な昇圧式 がお奨めです。
理由は 自作の昇圧型簡易MPPT充電器 の中で触れてますが、非同期チョッパ昇圧でインダクタの後ろに置くダイオードが、バッテリーからの逆流防止も兼ねてくれます。
1代目は知識不足で過放電させまくったので論外として、2代目・3代目は回路も不十分でしたが、バッテリーも粗悪でした。
→ 記事にはしてないけど、UPS で使ってた同社バッテリーも悉く膨らんだ。二度と買うまいと誓う。
そして今回の4代目、秋ぐらいから容量低下を感じ始めたものの、特に膨らむこともなく騙し欺し使ってきました。
高寿命を謳ってる高級バッテリーじゃなく安い LONG 製なのですが、2015年3月から3年間も使ってるので、寿命を全うしたと言っていいでしょう。
試行錯誤・継ぎ接ぎの最終形で、ほとんど遊園地状態です(笑)
いちおバッテリーを確認すると・・・
12V12AH を2直列して 24V として運用しているのですが、片方のバッテリーだけマイナス端子がご覧の有様。
硫酸鉛ですね。
バッテリーにはそれぞれ内部抵抗があって、劣化するに従って抵抗値が上がっていきます。
また、ほぼ同じ条件に設置・充放電を繰り返した場合であっても、劣化に伴う内部抵抗の増大は完全には一致しません。
- 経年使用によって R1>R2 という状態に陥る
- 充電電流 I は直列なのでバッテリー1もバッテリー2も同じ
- バッテリー1に印可される電圧 V1=I×R1、バッテリー2は V2=I×R2
- R1>R2 だと、バッテリーの充電電圧も V1>V2 になる
- MPPT充電器の充電電圧は 28V にしてあるが、均等に 14V ずつかからず、V1 が過電圧
- バッテリー1の劣化が更に進行
- どんどん V1 >> V2 になっていく
これは放電時も一緒で、充電/放電ともに内部抵抗が大きい側に過剰な負担がかかり劣化が加速度的に進行する というメカニズムです。
ほぼ空っぽの状態から ACアダプタ を使って充電を開始してみると
バッテリー1 | バッテリー2 |
こんな有様です。
ちなみに足して 28V にならないのは、簡易MPPT充電器が定電流(電流リミッター)制御を行っているためです。
一晩放置した時点では
バッテリー1 | バッテリー2 |
この状態で均衡しちゃってます。
バッテリー1は超満タン、バッテリー2が僅かに不足(充電率90〜95%くらいか) って風。
3年もったなら十分じゃないかという話もありますが、もう少し利口に制御してやれば、もう少し寿命を延ばせたかも・・・って気がしますねぇ