ダイソーモバイルバッテリーの中身が変わった!
献血の帰りにダイソーに寄ったら、モバイルバッテリーが補充されていたので、追加で更に2つ買ってきました。
早速充電を始めると 赤/青 で交互に LED が点滅し始めました。(2つのうち1つは赤LEDが死んでましたが、笑)
いつの間にか中身が変わってる!
今回のロット | 初期のロット |
- DCDCチップが 5900A という刻印のものに変わってる
- 別に独立してあった過充電/過放電の保護回路がなくなってる(過充電保護が2重から1重になってる)
- 以前よりも電圧降下が大きい(以前までは 1A でも 5V を維持していたのに、500mAで-0.1V、1Aで-0.2Vの降下)
これは精査し直さないといけません!
まず全体的な違いですが、以前のは回路的に リチウムイオン電池+過放電過充電保護回路(DW01A+8205A) が独立した状態で存在し、そのうえで 充電と昇圧を司るIC(FM6316FE) が接続されていました。
FM6316FE 自体にも過充電を防止する回路が組み込まれており、DW01A+8205A と併せて「過充電に対しては2重の保護」になっておりましたが、DW01A+8205A が廃止され「過充電と過放電の両方を防止する回路が組み込まれた充電と昇圧を司るIC」1つに置き換わっています。
「過充電と過放電の両方を防止する回路が組み込まれた充電と昇圧を司るIC」が 5900A と刻印された 8ピンSOP で、中国 Chipown社 の AP5900A というもののようです。
- 最大1A、4.2V±1%のフロート充電
- 5V1Aの非同期昇圧出力
- 最大効率90%
- 各種保護回路(過負荷、ショート、過放電、過電圧)
AP5900A は殆ど外付け部品なしでモバイルバッテリーが作れてしまう複合チップで、DW01A+8205A の「冗長な無駄」を省き、この AP5900A に全てを託すような設計になったようです。
(インジケータのLED部を除けば、インダクター×1、ダイオード×1、コンデンサ×3 で出来上がってしまう)
しっかし中国の半導体メーカーは、ほんと仕事が速いですねー
この手のチップに需要があるとみるや、ただちに作ってしまうという・・・
昔だったら、この手の「発明は伴わないものの市場ニーズを先取りした痒いところに手が届いているもの」は日本メーカーの独擅場だったはずなのですが・・・
お国柄故の個体不良の多さだけは固辞したいところですが、まともなものはまともだし、伸び代が大きいのは日本よりも明らかに中国ですね。
保護はローサイド(GND側のスイッチ)でやってるみたいですので、他の目的に改造する場合には充電側のGNDと給電側のGNDとを別物として使う必要があり、万一にも共通GNDにしてしまうと一切の保護が働かなくなるので要注意。
(追記)
3回くらい充放電してみて概ね活性化したんじゃないかと思いますので、文明の利器 で測定してみます。
投げ捨て抵抗はガラケーへの充電を想定して 10Ω(500mA)をチョイス
1つ目(通算5個目) | 2つ目(通算6個目) | |
最高ではないですが最悪でもないです。
購入日 | 備考 | 出力容量 (10Ω抵抗負荷) |
公称値に 対する率 |
10/1 | ダイソー 公称 2000mAh 1個目・白い個体 | 4.419Wh | 59.7% |
10/1 | ダイソー 公称 2000mAh 2個目・黒い個体 | 4.591Wh | 62.0% |
無名の 公称 1500mA(使い込んだもの) | 4.286Wh | 77.2% | |
10/1 | ダイソー 公称 2000mAh 1個目 を 無名 1500mAh に使われてた DCDC に接続 |
4.494Wh | 60.7% |
10/10 | 名駅近くで買った3個目(スポット溶接が失敗) | 4.069Wh | 55.0% |
10/10 | 名駅近くで買った4個目 | 5.335Wh | 72.1% |
12/11 | DCDC基板の違う新ロット5個目 | 4.795Wh | 64.8% |
12/11 | DCDC基板の違う新ロット6個目 | 4.649Wh | 62.8% |
繰り返しになってしまいますが、600円だったら買う気は起きないが300円なら許せる・・・そんな隙間を狙った微妙なモバイルバッテリーですねぇ