秋月 簡易放射線量モニタキット CQ QEX No.1 届く
先週末に作ったみた秋月の簡易放射線量モニタキット が調子よく動かないのですが、細かい試行錯誤は週末にチャレンジっと思ってましたけど、先に雑誌のほうが届きました。
こちらの雑誌にはガイガー系の記事が2つありまして、まず最初に CK1026 を用いたもの
冷陰極管インバーターを用いて900Vの高電圧を作る方式ですが、似たような構成の物を 昨10月に作ってみた こともあって、今となっては新鮮味を感じず・・
(冷陰極管インバーターは 秋月で再販売開始 してます)
次に今回の秋月キットの元になってる S6775 を用いた記事があり、公開されている回路図と全く同じものが載ってました。
記事の全文を書き写すと「引用」にならなくなってしまうので、要点だけ
本製品の概要
(前略)
無信号時は、おおむね0.5V程度、ガンマ線を検出したときはその強さに応じてパルス状に1.5V程度のアナログ電圧を出力します。
動作チェック
(前略)
SW1を押してみてください。左側に電圧が表示されます。このうち上側は、最近1秒間に測定された最大電圧を表示しています。また、下段は、ガンマ線を検出したとみなす閾値電圧を表示しています。これは、電源を入れる際に測定された電圧を1.2倍した値です。これを閾値電圧として計測に使用しています。
この文章を欲しいがためだけに1500円弱を払いました、はい。
右の写真にも書いてありますが、「ノイズが混入、または発振などを起こしていると、3Vなどという大きな電圧が表示され」るそうです。
私の場合は基板を裸にすると電圧が下がって、アルミホイルに包むと電圧が上がるんですけど、静電シールドがうまく効いていないのかなぁ〜?
とにかく設計上の適正測定電圧が分かりました。
概ね0.5〜1.5Vの範囲内であるべきらしいので、私の場合はノーシールド状態が「想定内」で、アルミホイルで包んだ状態が「ノイズが混入、または発振などを起こしている」だった訳ですね。
さて、これでチャンチャンという風だと良かったのですが、他にも触れておかねばならない点がありました。
係数(cpm→μSV/h)に関するところ
キット初期値は「75」でしたので、逆算して 0.1μSV/h 時では 1.33cpm 位なのかな、と目星を付けてましたが、CQ雑誌のほうには「S6775の係数は500が目安」などという無慈悲な表記が・・・
「75」でも感度が低いなぁと嘆いていたのに「500」ってコトは、おい、さらに 6分の1以下かよ!
誤植だと思いたかったのですが・・・
PINフォト・ダイオードのセンサは、ガイガー・ミュラー管に比べて感度が低く、その分を補うために十分な測定時間を確保する必要があります。今回の動作チェックでは、同様に有効数字を確保するため、100分ほどの時間をかけて測定してみました。その結果、我が家では16回のカウントがありました。つまり、16÷100=0.16CPM という結果を得ることができました。この結果に、係数の500をかけて nSv/h にしてみました。0.16×500=80nSv/h
この結果は、近所の役場が発表している数値と近く、動作チェックとしては良好な結果でした。
誤植ではないような書きぶりです。
80nSv/h(=0.08μSv/h)の環境で、100分で16カウント、0.16CPM !?
秋月さんも最初に「本キットは簡易なモニタです。本キットで放射線の有無や強度、危険や安全を判断しないでください」と書いてはいますが、デフォルト「75」はどこから出た数値なのよ・・・?
せめてデフォルト「500」にしてファーム仕込まないといかんだろ・・
また説明書には空間線量を10分平均で求めると書いてありますが、個人的には最低でも100カウント集めないと有為なデータは得られないと感じてますので、10分で100カウントも集まる環境ったら、5000nSV/h=5μSV/h・・・
悠長に測ってちゃいけないところっす。。
※8.02μSV/hの場所でニコニコ記念撮影してたこの人たち は、頭が被曝して正常な判断能力を失ったのだと思います。
※6時間おきに(1日に4枚)レントゲン撮影しているのと同じ被曝量なんですけど・・・
0.2CPM@0.1μSV/h の感度だと、フクイチの敷地内で使う風でもない限りは、ぶっちゃけ、実用性ゼロですねー
静電シールドの件を克服したところで、この感度では明らかにゴミなので、一緒に紹介されているシンチレーション化にチャレンジするしかなさそうです。