秋月 簡易放射線量モニタキット 組み立て

 たまたま秋月電子の新商品を見てたら、K-05489 SiPINフォトダイオードセンサーを使った線量計キット が¥3700円と、これまたお手軽プライスで登場したらしいことを発見し、さっそく木曜にポチッりまして昨日の金曜に無事到着です。


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 こちら、いつもの秋月らしく部品表や回路図は ホームページでフルオープン になって単品で集められますが、キット品を買うとキチンとした基板とプログラム書き込み済みのマイコンが付いてきます。


 いずれは信号線を mbed に入力させて Mark2互換機 に仕立てる予定ですが、とりあえず、最初の1台目はキット品を買ってみました。



 若松Mark2ほどには丁寧に部品分けされてなく、一つの袋に抵抗が20本くらい混ぜこぜで入ってますが、1/4W タイプなので抵抗値を示すカラーバーも見やすく、仕訳はさほど手間じゃないと思います。
 抵抗・ダイオードの類は全て横置きですので、最初にこれら背の低い部品を半田付けして、順にセラコンなど背の高いほうに移っていきましょう。


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 電源とスピーカーのところは、抜き差しのことを考えて線を直接半田付けせずコネクタを立ててみました。
 また説明書では、クドイほどノイズ対策のことばかり書いてありましたので、このキット中で最も(S6775 の次に)ノイズ耐性が必要と思われるオペアンプ(LMC662)は、あえて付属のICソケットを使わずに基板に直接半田付けしてみました。


 S6775 を残すのみになった辺りで一旦通電させて、液晶表示がされることまで確認するといいでしょう。
 S6775 を差し込むホール付近に触れることで勢いよくカウントが進めば、まぁヨシだと思います。


 ここまで半田付けまでは、部品点数が少ないこともあって Mark2 より遙かにラクチンだと思いますが、このキットの肝は半田付けのテクニックよりも、アルミホイル巻き巻きのセンスが重要視されるぽい感じです。
 説明書が意図することを汲みつつ、あまり神経質にならずテキトーに S6775 をアルミホイルで包みます。


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 S6775 の足の絶縁には適当な線材の皮膜を使えと書いてありましたが、同梱してあった線材の皮膜は細すぎて S6775 の足にマッチせず。
 手持ち熱収縮チューブで代用しました。(最初から熱収縮を使ったほうがラクです)


 3本目の足となるシールド線の芯線は、先のほうは解しておいたほうが接触抵抗が下がって良いはず。
 S6775 の背中に薄い両面テープを貼って、解した芯線を引っ付けると作業がラクになると思います。


 アルミホイルのキラキラしてる側のほうが接触抵抗が低いので、キラキラしてる側を内側にしてシールド線に引っ付くようにしつつ S6775 を巻き包んでいきますが、S6775 の外面ピッタリ巻く必要はなく多少ダブツキ気味で問題ありません。
 頑張りすぎてアルミホイルを破いてしまったら、新しいアルミホイルで再チャレンジしましょう。


 基板のほうも袋を被せて絶縁してアルミホイル巻きにするそうですが、私の場合はサランラップをグルグル巻きにしてアルミホイル巻きにしました。


 どっかでショートしていないことを祈りつつ電源を入れます。
 しかしながら・・・


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 cpm→μSV/hの係数の初期値が75である点から見ても、1分で5〜10カウントされるべきで 、「0」のままはおかしいので、SW1 を押してみます。
(注記)係数ですが μSV/h=cpm×係数÷1000 という風になってるようで、デフォルト係数「75」が概ね正しいと仮定したとき、0.1μSV/h環境では 1.33cpm くらいになるべきぽいです。


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 左上が「最近1秒間に測定された最大電圧」左下が「検出しきい値電圧」
 たぶん、「最近1秒間に測定された最大電圧」>「検出しきい値電圧」だったら1カウントと読むのだと思いますが、なんだ、この 5.556V ってのは。。
 オペアンプの電源は 5V なんだから、5.5V なんて絶対に出ないぞ・・・?


 電池を付けたり外したりやってたら、どういうタイミングでか分からないものの何とかカウントが進み始めたので、この時に電圧がどうなってるか確認すべく SW1 を押してみます。


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 今度は「検出しきい値電」は 3.650V と、ありえなくもない数値に →後談あり追記参照のこと
 「最近1秒間に測定された最大電圧」>「検出しきい値電圧」になってカウントが進むわけですね。

C「検出しきい値電圧」は電源を入れた時の電圧を元に設定され、電源を切るまでその値が使用されます。

と説明書にはありますが、「電源を入れた時の電圧を元に」って一体なんだ!?


 9V電池がそのままフォトダイオードセンサーやオペアンプの電源として使われているのならば電池残量に基づいて「検出しきい値電圧」も変動させる必要があると思うけど、回路図を見る限り3端子レギュレータによってどちらも 5.0V の定電圧で動作させてるわけで、「検出しきい値電圧」を変動させる必要性が理解できない・・・
(パラメータで手動変更するなら分かるが・・・)


 電源監視は9Vを 1/3 に分圧して PIC 2番ピンに入れて見てるぽいけど、フォトダイオードセンサーから増幅されてきた信号線は18番ピンで、これは電源5Vに定電圧化されたオペアンプからの出力。
 これを単純に比較しても意味がないのだけど、一体どこの電圧を見て基準しきい値に採用しているか分からないし、何のタイミングでか 5.5V などという一生カウントが進まないしきい値になるのは・・・


 マイコンのソフトの動きに大いなる謎を残しつつも、無事にカウントが進み始めたので、しばらく放置させて様子見してみます。


(追記)
 超絶に不安定・・・
 というか感度の低さも手伝って、何を測っているのだか、もう訳わからず・・・

 
 「検出しきい値電圧」とやらを、どうやって決定してるのか
 本来は何ボルトくらいの表示がされることを想定しているのか


 シールドがちがちで電源を入れると「検出しきい値電圧」が 5.5V くらいになってカウントが全く進まない。
(オペアンプが出力するはずのない電圧なので、手で触れてもカウント進まず)


 逆にノーシールドで入れると 0.3〜1.5V になって、ちょっとしたことでカウントがガンガンに進みます。
 また不思議なのが「最近1秒間で測定された最大電圧」も、「検出しきい値電圧」と連動?して変動幅が変わるという点。
 原理的にはPDセンサーが放射線を検知するときに流れる微弱電流を増幅しまくってマイコンで検出するだけだと思うので、環境依存するのは周辺温度くらいのはず・・・


 PICの18番ピンに入力された電圧を A/D 変換して監視しているのだとは思いますが、シールド具合によってなんでここまで大きく変動するのか・・?


 センサー部が変なのかマイコンのソフトが変なのか原因が全く分からないので、テストピンを A/D 変換してログってみてみるしかないですねぇ
 原典の CQ 雑誌のバックナンバーをポチりつつ、mbed で A/D 変換してログるだけのプログラム作るか。。


追記(2012/04/10)
 原典となるCQ雑誌が届きました。
 電圧は 0.5〜1.5V くらいが正しく、係数デフォルト「75」は不適で、正しくは「500」くらい出そうです。