原発作業員の白血病の労災認定は 5mSV/y から
中国新聞 被曝と人間−３部−ある原発作業員の死(2000年3月22日)
http://www.chugoku-np.co.jp/abom/00abom/ningen/000322.html
その中から一部抜粋します。
(労災)申請には、書類のほかに放射線管理手帳と作業内容などが書かれた遺品のノートも添えて提出した。
申請を支援した海渡雄一弁護士は言う。「八年十カ月の作業、計五〇・六三ミリシーベルトの被ばく線量は労災の認定基準を満たし、認められる自信はあった」。海渡弁護士は各地の原発関係の訴訟にかかわっている。放射線被ばく者に対する白血病の労災認定基準は、七六年に労働基準局長通達として出された。1.相当量の被ばく 2.被ばく開始後少なくとも一年を超える期間を経ての発病 3.骨髄性白血病またはリンパ性白血病であること―の三要件を定めている。相当量の被ばくは「五ミリシーベルト×従事年数」と解説で明記している。
嶋橋さんの場合、被ばくの相当量は約四四ミリシーベルトとなり、約六ミリシーベルト上回っていた。
九四年七月末、磐田労基署は申請を認め、原発での被ばくと病気に因果関係があるとみられる、と判断した。
今回の事故を受けて一般人の被曝上限が年間20mSVに緩和されましたが、この数値は原発作業員だったら労災認定を受けることが出来るほどの「相当量の被曝」の４倍もの数値なのです。
20mSV/y（2.28μSV/h）の環境だと3ヶ月で労災認定基準に達します。
10mSV/y（1.14μSV/h）の環境でも6ヶ月で労災認定基準に達します。
来年の今頃までには、被曝量1mSV/y以下にまで収束させられるという実現可能性99％な復旧計画があるのならば、賭けてみるのもありだと思いますが、もし99％に遠く及ばない不確実性があるのであれば、お願いだから福島の子供たち(の世帯)だけにでも避難指示を出して下さい。
子供は同じ線量を被曝しても大人よりも悪影響が強く出るのはチェルノブイリ事故で明らかになっているんです！
確かに100人中100人に影響が出るわけではないですが、十分に回避可能な災難を運に任せるのは間違ってませんか。
賭けは大人だけでやったらいいんです。
福島を舞台に行われつつある人体実験も楽観的な大人だけでやったらいいんです。
子供たちを勝手に賭けや実験に引き込まないで、お願いだから
戦中は空襲の被害を避けるために全国的に児童の疎開が行われました。
当時の政府が「子供を守る」という最低限の責務を果たすことなく、もし「女・子供も玉砕覚悟で〜」なんて言ってたら今の日本はありませんでした。
今の指導層たる団塊世代は、元々そういう時代で生き伸ばされた子たちじゃないですか。
追記
数日前に東電が発表した「3か月で安定的に冷却できるようになり、放射性物質の拡散は確実に減少傾向となる」という工程の成否次第となりますが、原子炉が割れちゃってる状況から見れば、とてもとても・・・
先月と違って大規模爆発が起きてない今月でも、放射性物質の放出量は衰えず、毎日154兆ベクレル放出中 だそうで・・・
これから、今まで公表してない「具合の悪い真実」を順番に出してきては、最終的に「当初予想もしていなかった問題が次々と発覚し、工程表が守れなかったが、これは不可抗力だった」とでも言い抜ける気でしょう。
３ヶ月なんかじゃなくて「早くて３年」「もしかしたら30年」ってオーダーなのですから・・・
←出典：（群馬大学）早川由紀夫の火山ブログ
| ＠1時間 | ＠3ヶ月 | ＠1年 |
| 8.0μSV | 17.5mSV | 70.1mSV |
| 2.0μSV | 4.38mSV | 17.5mSV |
| 0.5μSV | 1.10mSV | 4.38mSV |
福島市や郡山市ですら、３ヶ月で「相当量の被曝」の値にまで達します。
この「相当量の被曝」の数値は外部被曝のみ、つまりは防護服と防塵マスクに身を包んで体内に放射性物質（チリなど）を取り込まないなど、いわゆる原発作業をする装備を前提とした数値です。
体内にチリなどを吸い込んでしまえば、どこにいても、寝ても起きてても自然排出されるまで放射線を出し続けますので、より恐れるべきは外部被曝よりも内部被曝のほうです。
原発作業員は管理区域に入る際に被曝線量計の所持および被曝線量の記録が義務づけられていますが、同じように管理区域に該当する線量環境で生活する一般市民には防護服はおろか線量計すら持たされていません。
１時間以上いてはいけない公園のある街に、どこに安全な空間が残されているというのか。
暫定被曝上限 20mSV/y は東電と政府が描く「６月で収束」の賭けに成功することを前提にした数値です。
この賭けに参加しますか？参加させますか？？
