枝野は国民に助けを求めているのか

枝野氏、原子炉爆発でも「現在の避難区域でよい」


枝野幸男官房長官は13日午前の記者会見で、東京電力福島第1原子力発電所の原子炉の格納容器が爆発した場合について「万が一起こったとしても、現在の避難指示区域でよい。原子力安全・保安院原子力安全委員会と相談して、指示を出している」と述べ、新たに避難区域を拡大しない考えを明らかにした。


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 もし原子炉が爆発しても30キロ圏外の福島市いわき市の人たちは避難させない


だそうです。
 これを聞いて安心する人、逆に不安になる人、いろいろおられると思いますが。


 これまでの知識で言えば、いくらなんでも原子炉が爆発したら福島はおらか風向き次第で東京すら危険地帯に入りますし、綱渡りの注水作業が続いている他の原子炉付近も致死量の高濃度放射能で汚染され、建屋を肉眼で拝める距離に近づくことすら出来ない状態になるはずです。
 つまりは、残り2基の原子炉も注水作業不能となり、時間をおいて爆発する事態に陥ります。6基すべてにある燃料プールにある使用済み燃料棒も野となれ山となれ、です。


 何の真意で枝野がこんなむちゃくちゃな発言をしたのでしょうか。

  1. 実は放射能は言われるほど危険じゃなくて、原子炉が爆発してもただちに健康に害を及ぼさないのです。これまでオーバーに騒ぎすぎてました、ごめんなさい。
  2. もし1基が爆発したら残りも順次爆発しますので、そうなった場合、日本国内に避難先となりうる安全な場所は存在しなくなるので避難不要なのです。
  3. 日本は元寇の時代から神風によって守られてきました。爆発したときはタイミングよく東向きの神風が吹いて、放射性物質を吹き流してくれるはずです。
  4. そもそも爆発はありえず発生確率がゼロなのだから、どんな無茶なことを喋っても平気なぁのだ


 1. だといいですね
 現実的には、どちらかと言えば 2. の気がしますが、そんなことをこのタイミングでわざわざ言う必要があるかどうか。


 と、ここで壮大な推論

  • 実は枝野は国民に助けを求めている

 今の状態を鑑みるに、人の健康よりも経済(資本主義)優先で考えた場合、これ以上に避難地域を拡大させることは国道4号線東北道や新幹線を巻き込むことになるため不可能なのです。
(経済優先派にとっては中通りの交通網の死守こそが何よりも優先するのです)


 このままダラダラと小康状態が続いたとしても、福島市の累積被曝量は相当量(20mSV/y超、地震前の基準値は1mSV/yだった)になること確実なので、老人はともかく子供のいるところだけでも避難させないと取り返しの付かないことになるはず。


 経済最優先で物事を考える勢力に政府内部が掌握されてしまっている現実を、「原子炉が爆発しても避難させない」という極端なケースを持ち出してきて国民に伝えようとしているのか、と。
 東電や保安員・マスゴミと言った究極の経済最優先・原発利権組織に包囲されて、菅や枝野はじめ官邸が完全孤立してしまっている、という仮定です。


 在日米軍問題で沖縄の民が起こしたような大規模デモを、福島でも起こしてくれることを官邸が期待しているのではないか?
 民衆蜂起という援軍を得ないと立ち向かえないような、とんでもないこと(静かなるクーデター)が官邸で起きているのか??
 「爆発しても避難させない」と言えば、さすがに温厚な福島県人も怒ってくれるだろう、という官邸の一縷の望み


 ちょっと陰謀論の入った推論ではありますが、そういう陰謀論を持ち出してこないと説明がつかない古今の政府の不自然な動きにただならぬ不安を感じます。