祈るしかない

 福島原発地震と大津波により破壊されました。
 辛うじて原子炉の停止には成功したものの崩壊熱(核燃料の自己発熱)の冷却処理がうまくいかず、まさに予断を許さない状態が続いています。


 残念ながら日本の原子力関係者の認識では、今回のような事故は発生しないという前提でいました。
 事故の発生を想定していないが故、「炉心が融解し始めたら、どう対処するか?」は全く考えられていません。
 「考えていない」というか「考えてはいけなかった」と言った方が適切でしょう。


 この福島原発が運転を開始したのは私が生まれるよりも前の出来事。
 私の幼い写真の中に、ホンダ・N360と一緒に映ったものがありますが、N360 の時代に作られたのが福島原発なのです。
 こんにち、N360 を見れるのは自動車博物館の中くらいでしょう。
 その時代の原発が修理を重ねながらも未だに運転を続けていて、40年たった今、津波に遭い破壊されました。


 原発がないと享受できない生活水準を求めながら原発の新設は認めない、という矛盾したなかで起きるべくして起きた事故と言っても過言じゃないように思います。



 世界で、この事態に対処できる組織は存在しないと思います。
 格納容器の中が今どうなっているのかは、神のみぞ知る世界。


 神も仏も、これまで信用してきませんでした。
 起きるべくして起きた事故だし、今更になって、祈り、神頼みしても手遅れだと言うことも分かります。
 とは言え、もはや、祈る以外に方法がありません。


 あとは導かれる運命に身を任せるだけ。