数億円がゼロ円に

犯行予告収集サイト「予告.in」公開 「0億円、2時間で作った」


総務相が、ネット上の犯行予告を検知できるソフトの開発費を来年度予算の概算要求に盛り込むと発言した。費用は数億円」という報道を受け、開発者の矢野さとるさん(26)は、犯行予告収集サイトを1人で2時間で構築・公開した。

引用元:itmedia


 秋葉原の事件、犯人が掲示板に予告書き込みを行ったことが注目され、それに便乗してIT業者がこぞって総務省に営業活動を行ったのだろうね。
 「犯行予告サイトを検知するシステム構築に数億円」だと。


 ハッキリ言って、国がやるネット関連事業は悲惨な結果ばかりだ。
 電子納税(eTax)あたり、少しカジったことがある人なら分かると思うが、どこを見てシステム構築したのか担当者を吊し上げたくなるほどの酷い出来だ。


 eTax あたりは知名度が最も高い「酷い話」だが、役所内で稼働しているシステムも目立たないが負けず劣らず惨い。
 市町村役場なんて基本的には全国でほぼ同じ行政サービスを行っているわけなので、コンピュータのシステムも1種類で済むはずだ。
 「1種類」は大げさにしても、政令指定都市、市、町、村、のレベルで分化させても4種類で済むはずである。
 なのに、全国の市町村が各々にシステムを導入している。
 べらぼうな金額で・・・(億単位×市町村数)


 話はそれたが、総務省が数億円必要と見積もった犯行予告サイト検知システムを、その優秀な技術者は2時間で構築したと言う。
 確かに2時間作業であれば不備や改善必要箇所も多いとは思うが、数億円システムが数万倍優れているとは思えない。


 土木事業に比べてIT関係は実に分かりにくい。
 数億円とされる建物をいわゆる「素人」が2時間で作り上げることは土木事業では不可能だが、ITの世界では多々ある。
 実のところ政府官僚の人たちもITのことを良く分かっていない。
 なのでNTTデータや日立と言った名の通った会社が「数億円かかります」と言われれば、そう思い込んでしまう。


 総務省はそういう不得意分野に介入しない方がいい。
 そんなことよりも「日本の祝日」をRSSXMLとか、そういうデータ形式で配信してくれさえすれば、それだけで十分なんだよ。
 「日本の祝日はいつなんだ?」の方がみんな困ってるんだから。