新・汎用ガイガー検波ユニットの製作(中編の2)
中編の1 を書いてから間が開いてしまいました。
いま手元には、NE555 をデューティ比 15% ほどで稼働させることで出来た 9V→500V(@30mA)なチョッパ昇圧回路があるのですが、お披露目する前に、先に失敗作をご覧いただこうかな、と。
耐圧700V で、後段からのフィードバックを受けてデューティ比も0〜66%で可変するということで、ずばりこれだけで完成品じゃん!って思った 秋月扱いの FSD210B。
上記のような回路を組んでみたんですね。
コンパレータを使うべきところにオペアンプ+ダイオードやってる部分は気にしないで下さい。
この先の放射線検知にオペアンプ使う予定なため、空いた1chを帰還に使ってるだけですので。
発振周波数は 134kHz 固定ということで、小さめインダクタを中心に色々と取っ替え引っ替えやったんですけど、9V→50V が限界でした。
FSD210B の最終段にある Nch MOSFET の Rds が 30Ω 前後もあり、インダクタへのチャージが遅々として進まないことが敗因のようです。
やっぱ、DC150〜300V とかいう世界で使う部品なんですねー
昇圧・降圧どちらにでも使える、100均DCDC で有名な NJM2360(MC34063)でも実験してみました。
内蔵コンパレータのバイアス電流(漏出電流)が LMC662 あたりと桁が違っていて遙かに大きく、100MΩという超ハイインピへの影響が気になったため、LMC662 でボルテージフォロアしたうえでフィードバックさせてみましたが、それ以前のところで問題が・・・
オシロで注意深く観察していて分かったのですが、どうも、こいつはデューティ比が約80%と固定のようなんです。
固定デューティ比で発振していて、フィードバックピンによって電圧過剰を検知したら、デューティ比そのままで発振を間引くだけという・・・
ガイガー管の場合、負荷がものすごく少ないため、80% のデューティ比で1発来てはしばらく間引き・・・という挙動を示し、出力がとても不安定になってしまいました。
通電直後は空っぽのコンデンサという負荷があるためいいのですが、それが満タンになった頃合いから徐々に出力電圧が下がりながら消費電流は増えていくいう・・・
というわけで、最初に戻りますが、これまでの実験から
- コッククロフトなしに一発昇圧を試みると消費電流が激増する
- とはいえ、モニタリングポスト用途ならば数十mAくらいなら許容できる
- 電源 5V にこだわることを諦めると難易度が大幅に下がる
- 9V → 500Vならば、割と簡単(MOSFETも耐圧 600V で大丈夫)
- SBM20 や J408のような 〜400V管は1発昇圧で
- J209 のような 900V管はコッククロフト1段で2倍昇圧
- 発振周波数は低い方が省エネ
みたいなことを体得しましたので、ずばり、以下の仕様に決定しました♪
電源 | 9V(8〜15Vくらい)、30mAほど |
FETカチカチに使う石 | NE555 |
FET | 耐圧600V な Nch MOSFET |
インダクタ | 220μH |
発振周波数 | 10kHz前後 |
デューティ比 | 約15% |
最大昇圧 | コッククロフトなしで約500V |
費用 | たぶん1000円でお釣り |
その他 | 本家Mark2と違って耐候性は非常に高いはず |
乞うご期待♪
(追記)2016/04/30
当記事の続きとして 後編 を書きました。