ダイソー 300円 2000mAh モバイルバッテリー、その容量に疑念あり
ダイソーから 300円 で発売された 2000mAh モバイルバッテリーですが、最初に開封した個体ではどうしても公称容量があるように思えないという結果になりました ため、同時に買い求めた色違いの2個目を使って再々々試験をしてみます。
この前のは白い筐体でしたけれど、今回は黒いほうです。
まぁ中身は一緒に決まってますが・・・
前置きをウダウダ書いて引き延ばしても仕方ないので、さっさと結論に進みます。
ガラケーを想定して 10Ω負荷(500mA) で試験してみました。
ずばり、4.591Wh!(62%)
最初の個体は 4.419Wh(60%) でしたので、それよりはいいですけど、ほとんど誤差(個体差)ですなぁ
とてもじゃないですが、期待する 5Wh 台後半の数字が出そうにありません。
ここまで来ると、AliExpress でポチった USBテスター が怪しいんじゃないのか?という疑いも沸いてきます。
それでは、公称 1500mAh な別のモバイルバッテリーを、同じ USBテスター で測ってみようではないですか。
殻割り後のモノで申し訳ありません。
しばらく、ESP8266 ガイガーカウンター の電源として活用していたもので、外装が行方不明です。。。
たしか、元は こんな箱 に入っていた記憶がありますが・・・
同じく 10Ω(500mA)で試してみますね。
※測定終了後は表示のためにテキトーな電源に繋いでますため電圧値は無視してください
かなり使い込んでいるので、それなりに劣化していると思うんですけど、4.286Wh という数字が出来ました。
3.7V×1500mAh=5.550Wh の公称値に対して 77% の出力です。
ダイソー 公称 2000mAh 1個目・白い個体 | 4.419Wh |
ダイソー 公称 2000mAh 2個目・黒い固定 | 4.591Wh |
無名の 公称 1500mA(使い込んだもの) | 4.286Wh |
この違いが大きいとみるか、誤差くらいとみるか・・・
この無名品に使われている DCDC チップはダイソーとは異なり、TD8208 というものです。
データシートに効率値の表記はありませんが、Rds(ON) は 120mΩ だそうで、以下のような仮説も考えられます。
- ダイソーのは確かに 2000mAh なセルなのだが、DCDC の性能がイマイチで出力容量が少ないのかもしれない
- 無名のは 1500mAh しかないセルなのだが、DCDC の性能がよいのでダイソーに匹敵しているのかもしれない
- それぞれの DCDC で過放電防止が作動する閾値が違うのかもしれない
そこで、無名品の DCDC チップに、ダイソーの生セルを繋いで測定することにしてみました。
無名 1500mAh なモバイルバッテリーを測定したときと比べて、違いは生セルのみという条件になります。
※測定終了後は表示のためにテキトーな電源に繋いでますため電圧値は無視してください
1つ目の、白い外装に入っていたセルを用いましたが、ガラケー想定 10Ω(500mAh)で、4.494Wh の出力でした。
ダイソー 公称 2000mAh 1個目・白い個体 | 4.419Wh |
ダイソー 公称 2000mAh 2個目・黒い固定 | 4.591Wh |
無名の 公称 1500mA(使い込んだもの) | 4.286Wh |
ダイソー 公称 2000mAh 1個目 を無名 1500mAh に使われてた DCDC に接続 | 4.494Wh |
比較対象の無名 1500mAh が「使い込んだもの」なので、かなりダイソーに有利な条件での比較となってます点を含みおき頂いたうえで、1500mAh との差は僅か +5%
使用されている 18650 の側面に、普通はあるべき容量表記がないという、不思議な生セルを用いた、ダイソーの公称 2000mAh モバイルバッテリーですが
実質的に 1600mAh 相当 とみなしたほうがいい
という最終結論に達しました。
※私が引き当てた個体2つともが外れだった可能性もありますので、同様の試験をなさった方がおられたらコメント下さい。
ただ仮に 1600mAh 相当だとしても明らかに値段は安いので、いったんは 2000mAh を狙って製造されたものの、容量が足りず検品でハネられたセルを集めたもの?とか、なにか特殊事情を利用して作られたもののような気がします。
仮にそういう事情だったとしたら、同じ条件では部材を入手できないと思いますので、店頭在庫が売れ切れたら再生産&再販売されることなく終了になる気がします。
(継続されない一過性の商品だと捉えれば、他の方の試験結果を聞いたりして更に検証する必要もないかもしれませんが)
さて結びになりますが、今回の実験を通して痛感したことがあります。
ダイソーに限らす各社から様々なモバイルバッテリーが販売されていますが、どの商品も実際の出力容量ではなく、内部で部材として使用した生セルの容量だけを前面に掲げて販売しているという点。
消費者が購入時に判断したいのは生セルの容量じゃないでしょ?
実際に、どんだけ出力できるか?でしょ!
腐った昇圧モジュール使えば、生セル容量の70%しか出力できないし、ちゃんとしたの使えば90%超えも可能です。
同じ 2000mAh の生セルで比較しても、70% だったら 1400mAh 相当、90%だったら 1800mAh 相当。
大きな違いですよ。
こんな過疎ブログで呟いても仕方ないですが、モバイルバッテリーを製造・販売してる各社は、単に生セルの容量だけでなく、負荷条件(例・「抵抗負荷10Ω」等)を併記したうえで 実出力容量で競ってもらいたい と思いました。
(追記)2016/10/18
名駅そばのダイソーで追加購入した2つのうち1つは当たりでした。(反対に2つのうち1つは外れでしたが)
すべてのダイソーモバイルバッテリーが残念な容量というわけでもなく、ちゃんと容量のある個体もあるようです。
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