数年前に書いた ダイソーの 5V 2.1A な300円USB充電器に関する記事 に対して数日前 コメント を頂きました。
最近ダイソーに2USBポートのシガープラグが置いてありましたが、買って分解してたりしますか?
分圧フィードバック抵抗を廃して、5V 以外に設定できない USB充電器 が置かれるようになってから、全くと言って興味が失せてしまっていたのですが、なんと新しい充電器が出たのですか!
何店かハシゴしてようやくゲットしましたよ。
300円 の 2.1A なやつはいつの間にか販売終了になっていたみたいですが、ご紹介いただいた充電器は 5V 2.4A と僅かに出力アップしたうえに USBポートが 2口 になって、お値段、たったの 200 円+税!
インテリジェントチップと銘打った怪しげな部品も載っているとのことで、買ってみないわけにはいかないじゃないですか。
12V車 のみならず 24V車 にも対応とのこと。
300円のアレみたいに、入力側の電解コンデンサが 25V などということがないか確認したいですね。
そんな心配は杞憂に終わりました。
電解コンデンサの耐圧は 35V でしたので、中華コンデンサ故の個体不良の可能性はともかくとして、公称的には 24V 車でも大丈夫でしょう。
インダクタもトロイダルと期待が膨らみます。
(歴代の 100均 USB充電器を振り返ると、トロイダルを積んでるやつに外れはなかった)
定格をやや超える 2.5A 相当の消費電流であっても、きっちり 5V を維持しています。
R033(33mΩ)で電流制限が定まります。93mV÷33mΩ=2.81A が設計値のようです
基板を精査すると、ヒューズ(ポリスイッチかもしれない)は載ってるものの、過電圧保護のツェナーが配置用のパッドだけあって実装が省略されている点、やや残念ですが、これは自信の表れだと受け取っておきましょう。
さて、この USB充電器 の中心的な部品は以下の2つです。
左が 降圧 DC/DC の部品で cheng xin wei 科技の CX8825(データシート)というもののようです。
データシート によると、ハイサイド/ローサイドともに MOSFET を配した同期式だそうで、効率は公開されていませんが、出力 13.8V に設定した自作の安定化電源の電流計(アナログ針)が 1A くらいを指し示していたので、精密測定じゃない直感ではあるものの 90% は超えていると思われ。
これだけでも十分に凄いのですが、「インテリジェントチップ」と銘打たれた謎のチップが右の写真です。
792A という型番に読めなくもないのですが、ググっても該当なし。
一体なんなんでしょう・・・?
その周辺回路を起こしてみましたが、6ピンなワンチップマイコン?
QC2.0 モバイルバッテリーで 9/12V 生成 の時に使った ATTiny10 と同じピンアサインなのですが、RSTDISBL した AVR ?
古い Android しか持ってないので、このチップの挙動はよく分かりませんが・・・
きっかり 5V 2.4A 出力して、「インテリジェントチップ」も載ってて、かつ USBポート も2口あって、たったの 200 円+税。
分圧抵抗を弄ることで電圧も変更できるし、デューティ比は最大 100% まで行くそうだし、それで たったの 200 円+税。
- 入力 7.5V〜30V
- フィードバックの比較対象(内蔵基準電源)は 1.0V
- 出力を 10V 以上にするときは要コンデンサ交換(耐圧10Vなため)
- 最大デューティ比100%なので、入出の電圧差がなくても動く(ただし7.5V以上時)
- 謎チップの耐圧が不明なので、出力電圧を上げるときは注意
ずばり、買いです、これは。
これまで100均で販売されてきた同様のUSB充電器の中では最高の出来ですよ。
中国の圧倒的なパワーを目の当たりにして、こりゃもう、逆立ちしても日本は敵いませんわ