ダイソー 300円 2000mAh モバイルバッテリー 直ちに分解
(追記)2017/06/03
本記事を書いた当時のモバイルバッテリーは マイナーチェンジしたバージョン を含めて既に完売になっていますが、一見すると同じに見えるものが最近になって発売されました。
これを便宜上3代目と呼称させて頂きますが、この3代目は極めて奇抜な仕様となっています。
筐体には、モバイルバッテリーを充電するために使う USB-IN と、モバイルバッテリーから他の機器に給電するための USB-OUT と、別々のコネクタが備えられていますがハッタリで、内部的に直結になっているということが判明しました。
なんと、USB-IN のコネクタ側へも給電されます!
いわゆる「逆流」でして、逆流対策を施していない充電器を使ってモバイルバッテリーを充電しようとすると、もれなく想定外の事態が発生する可能性に見舞われます。
3代目・ダイソー300円モバイルバッテリーがデンジャラス仕様に というタイトルで記事にしましたので、ご注意下さい。
2000mAh(3.7V)な容量のモバイルバッテリーがダイソーから破格値300円で発売されたと聞いて、早速買ってきました。
「スティック型モバイルバッテリー」に区分されると思いますが、普通は1000円前後すると思います。
午後3時すぎの時点で20個近く残ってましたが、とりあえず色違いで1個ずつ。
最大出力は 1A だそうで、充電用に USB-microUSB な線も付いてきます。
長さが短いですけれど、この線だけが欲しくても 100円 くらいしますから、驚異的なコストパフォーマンスです。
嵌め込みだけで組み立てられていて、マイナスドライバーでコジって簡単に分解できました。
同じダイソーで売られてた USB充電ライター は平べったいリポ電池でしたけれど、こちらはありふれた 18650 のようです。
容量の表記はないですけれど、きっとこいつが 2000mAh なのでしょう。
さて基板のほうですが
FM6316FE という見慣れぬ型番の SOP があり、中国語データシート が大変に読みづらいのですが、充放電+昇圧を司る IC のようです。(最大効率90%だそうな)
基板にはリチウムイオン電池の保護回路で定番の DW01A と 8205A も載っかっており、こいつが過放電保護と過充電保護をやっていると思われます。
(FM6316FE 自体も過充電を防止する制御が行われるため、過充電保護に対しては2重の保護になってると思われ)
細かくはデータシートに譲るとして充電電流は、ダイソーの定数(R2:152=1.5kΩ)で、780mA(2000mAh に対して 0.4C くらい)に設定されているようです。
PCから充電させたときに、ポリスイッチが作動しないギリギリ点を狙ったような値ですね。
R2 を 1.2kΩ に換装すれば最大充電電流 1A となり、充電速度がスピードアップしますが、充電は三端子レギュレータのようなリニアレギュレータ式ぽいので(電圧差×電流が全て熱になる)、やるんならばケース開放にしないと危険かと思います。
さて、性能も軽く調べておきますか。
これまでは同様のテストをするときはセメント抵抗とテスター2台でやってましたが、今回は AliExpress から届いたばかりの 文明の利器 があるので、そっちを使ってみます。
ちなみに注文から到着まで3週間かかりましたが、アマゾンでも扱ってる物 は投げ捨て抵抗が付いてこないので注意。
投げ捨て抵抗は 4.7Ω を選択しました。
最初は値が半端だなぁ(5Ωじゃなくて4.7Ω? 2.5Ωじゃなくて2.2Ω?)って感じたのですが、投げ捨て抵抗モジュールのパターン抵抗やコネクタの接触抵抗など諸々で 300mΩ 程度あるみたいで、4.7Ωを選択したら5Ω、2.2Ωだったら2.5Ω という実負荷になるぽく、実によく考えられたモジュールだと思います。
(AliExpressでポチると、おまけで付いてくる)
USB テスターに貧乏フィルムが貼ったままなのはご愛敬として、しっかり定格通りの出力です。
このまま放置してみます。
ずっと定格通りの安定した出力を維持してましたが、40分ちょっと経過したところで、コイルから小さな異音が。
USBテスターを見ると、切れたり入ったりしてます。
どうやら、過放電防止が作動するも、作動後の電圧回復で再起動、また過放電防止作動、を繰り返し始めたようです。
ちょっとヒステリシスが狭いんじゃないかなぁ・・・って気がしないでもないですが、数秒おきくらいの周期なので、負荷が壊れるほどでもないでしょうけど、1時間くらい持つと思っていただけに・・・
定格いっぱいの出力を維持し続けるという厳しい条件ではありましたが、44分間の総出力は 3.872Wh。
公称値 3.7V×2000mAh=7.4Wh から比較すると 52% という残念な結果に終わりました。
DCDC効率も加味して 80% くらいを期待していたのですが・・・
充放電を何度かしてセルを活性化させた後で再測定してみようと思います。
(追記)
再試です。
ガラケーへの充電を想定して、負荷を10Ω(500mA)にしてみました。
[
※右側の電圧値は無視してください。記録を表示させるために、適当な電源に繋いだだけですから。
1時間47分後・・・
とはいえ、台湾料理屋さんに飯を食いに行って、帰った頃には息絶えていたので、もっと早くに終了してたと思います。
絞りきって 4.419Wh なので、4.419Wh÷7.4Wh≒60%
うーん・・・うーん・・・うーん・・・・
もしセル容量が 1500mAh だったら辻褄が合うんですけど、刻印ないですが本当に 2000mAh なセルなんですよね!?
(追記)
再々試です。
DSへの充電を想定して、負荷を20Ω(250mA)にしてみました。
停止と再開の繰り返しが始まった時点で、4.309Wh。
10Ω(500mA) と比べて悪化してるのは、完全に絞りきってないからだと思います。
(末期、停止と再開を繰り返しながらも僅かながら給電を続けますから)
4.309Wh÷7.4Wh≒58%
たまたま外れセルに当たっただけなのか、これが仕様なのか・・・
もう1個買ってあるので、そっちで再々々試しようと思いますが、個体が変わるので、新しい記事に分けようかな。
中間判定
中身の電池セルが 1500mAh 相当な気がする
※とはいえ、1500mAh な生セルでも普通に買うと$3くらいするので安いことに変わりはない
(追記)2016/10/05
別セルを用いて再々々試しましたが、期待する結果が出ませんでした。
そこら辺の顛末を その容量に疑念あり というタイトルで記事にしました。
(追記)2016/12/13
この前の週末 11日(日) に追加で2個購入したんですけど、最初のロットと比べて中身が変わってました。
詳しくは こちら をどうぞ