簡易MPPTコントローラ の基板を FusionPCB に作ってもらおうと夜なべして作図してるせいだと思いますが、完全に頭ん中が電気工作モードに入っちゃってます。
リレー版を考えましょうか?なんてコメントに書きつつ返事をもらう前に、活性化してる頭で回路案を考えちゃいました。
ふんだんにリレーを多用するので、予算面で +1000円 くらい余計にかかると思いますが、それ以前に、よーく考えたら今回の場合、M51958B(や M51957B)と言った リセットIC を使う必要がないという根本的なことに気がついてしまいました。
どうせ三端子で定電圧つくるんだから、オペアンプでいいじゃん
(リセットIC=基準電源入りコンパレータ を使う必要がない)
なんとしたことでしょうか。
単なる手段の一つだったはずの リセットIC なのに、いつの間にか私の中で リセットIC を使うことが目的になってしまっていた、と反省。
リレーの入手性から三端子で生成させる電源は 9V でなく 12V に変更してますので、まず注意ください。
まずリレーですが、左上の逆接防止だけ 24V 仕様の 953-1C-24DG-1 で、その他は 12V 仕様の 942H-2C-12DS です。
(942H-2C-12DS は 2C ということで2回路あるんですが、パラって使ったほうがいいでしょう)
逆接防止、正しい電流の向きのときだけリレーが作動するようにダイオードを入れておきます。
数十mA しか流れないし VF も気にならないので、1N4148 みたいな汎用品で大丈夫です。
(これ以外もダイオードは全て 1N4148 みたいなので可)
引き続き核心のオペアンプで作った過放電防止部分について。
出力電圧を 1/3 に分圧させてオペアンプのプラスに放り込んでいます。
オペアンプのマイナス端子は希望する遮断電圧の 1/3 になるように多回転VRを調整してください。
21V で遮断させたいなら、1/3 で 7V になるよう調整します。
遮断電圧(の1/3)より出力電圧(の1/3)が高ければオペアンプの出力が ON に、逆に出力電圧のほうが低くなればオペアンプが OFF になります。
オペアンプの出力は、そのままトランジスタのベースに繋がっており、ON/OFF に伴ってリレーを ON/OFF させます。
オペアンプの上に描いた抵抗とダイオードですが、閾値近辺で発振する(ON/OFFが繰り返す)のを防止する意図です。
オペアンプが ON→OFF に切り替わったらプラス側の電圧を更に下げてしまい、僅かな時間で OFF→ON に戻るのを防止しています。(いきなり分圧比を 1/3 から 1/5 にしてしまう作戦)
つまり、オペアンプのプラス<オペアンプのマイナス、出力 OFF で固定されるということです。
スタートボタンですが、押すとオペアンプのプラスに 12V を印可することになります。
強制的に オペアンプのプラス>オペアンプのマイナス とすることで出力を ON に切替えます。
(スタートボタンを離した後も ON を維持するかどうかは出力電圧が遮断電圧より高いかどうかに依存)
部品(抵抗)の定数ですが、あちこちに使ってる 100kΩ 固定抵抗をすべて 47kΩ や 10kΩ にしてしまっても問題ありません。(分圧の関係で値は一緒にしてください)
多回転VR は固定抵抗で選択した値とは別に 10〜100kΩ くらいの適当なもので大丈夫です。
トランジスタのベース抵抗も 1〜10kΩ くらいの適当なもので代用できます。
ブザーの電流制限抵抗は使用するブザーに依存しますが、秋月で取り扱ってる中から選ぶのであれば 1〜1.5kΩ 程度でいいはず。(24Vブザーが入手できれば抵抗は不要)
オペアンプは似たようなもの何でも可
トランジスタも NPN なら何でも可(2N7000みたいな NchFET でも可)
回路は机上の妄想でテストしてないものですが、きっと大丈夫なはず!
推定消費電力(机上計算)
負荷電流 | 前回(2SJ334) | 今回(リレー) |
20A | 24W | 3W |
10A | 6W | 3W |
5A | 1.5W | 3W |
※逆接防止を行うため、ない場合に比べて消費電力が増えてます。
(注意)
負荷にインバーターを置きたい方もおられると思いますが、先にインバーターの説明書を確認して下さい。
インバーターの入力側でリレーを使って OFF することを禁止しているインバーターがあります。
(少なくとも私の COTEK 製のインバーターはリレー禁止)
そんなときは今回の回路を使わずに、過放電を防止しつつインバーター給電 のほうをご参考ください。
(追記)2015/06/22
通りすがりの方から「オペアンプの電源にダイオード入れたら逆接防止のリレーは要らなくないか?」ってコメント頂きました。
確かに・・・
ってことで、頂いたコメントを反映した「逆接防止リレーをも省略してしまう」回路例も載せときます。
12Vリレーを使う場合 | 24Vリレーを使う場合 |
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クリックしたら大きく見えます | 逆接時に逆トランジスタにならないようにも配慮してます |
※過放電防止のスイッチにリレーを使う場合だから出来る芸当で、MOSFET を使う場合はダメです。
逆接時に ON にならないようにしても寄生ダイオードを通じて逆流してしまいますから。