東電発表資料からキセノン濃度の暗号を読み解く

3号機建屋上部から湯気 福島第1原発 雨水温められ? 放射線量変化なし


(前略)


採取した湯気の放射性物質濃度を分析したところ、含まれる放射性セシウムは微量で、東電は「周囲と比較しても異常はない」とみている。原子炉の温度や圧力などの計器に変化はなく、臨界時に放出される放射性キセノンも検出されていない。湯気のようなものは18日午前8時20分ごろ、協力会社作業員が作業に取りかかる前に、無人重機に設置された監視カメラの映像でみつけた。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130718-00000530-san-soci

 放射性キセノンは臨界時に放出されるのではなく、核分裂反応で放出されます。
 つまりは未臨界であっても核分裂反応があれば放射性キセノンは放出されるのですが、「臨界時に放出される放射性キセノンも検出されていない」と、あえて臨界というキーワードにこだわるサンケイの記者に、どういう意図があるのか問い尋ねてみたいところですが、さてさて、フクイチで未だに核分裂反応は進行してるのでしょうか?


http://dl.ftrans.etr.jp/?5d626d54c1e44462bff17215b4dfc1299013b0c6.png

 放射性キセノン濃度(放射性キセノンは核分裂反応が起きると発生する)
   1号機・・・1.7E-03
   2号機・・・ND
   3号機・・・ND

 ほうら「ND」だって。本当に何も起きてないよ!
 原発再稼働を訴える自民に安心して投票できるね♪


 って思った人、今もなお行間読みテストの最中だと忘れてしまいましたか?


http://dl.ftrans.etr.jp/?9cee2495d1f94cdf8405737aae4966e1a779489c.png


 枠外に書き出した数字が重大なヒントなのですが、何か分かりますか?
 表に書き出してみます。

号機 検出下限 検出値
1-A 0.000552 bq/cm3 0.00170 bq/cm3
1-B 0.000629 bq/cm3 0.00159 bq/cm3
2-A 0.220000 bq/cm3 ND
2-B 0.210000 bq/cm3 ND
3-A 0.320000 bq/cm3 ND
3-B 0.330000 bq/cm3 ND


なんと、2・3号機のキセノン測定器は1号機のそれに比べて検出下限が400倍!


 精度でいえば1号機の測定器の 1/400 しかないポンコツを使って「見つかりませんでした」とやっているのです、って書くと「その代わり測定上限が高いのだから精度は悪くない」って反論されそうなので、言い換えましょうか。


フルスケール1500℃の熱電対を使って体温測定して平熱判断してるのと一緒!



 東電いわく「放射性キセノンも検出されていない」というのは、0.21bq/cm3 まで上昇するには至っていない(それ以下の変化は知らん)、という意味なのです。


 え? ゼロが多すぎて、イメージ沸かない??
 1号機と2〜3号機の測定器の違いをグラフにしてみました。


http://h.wakwak-koba.jp/garakuta/xe135-20130718.jpg


 ND とはゼロなのではなく、測定器の検出下限を超えていないときときのことを言います。
 これほどまで検出下限がかけ離れている点、本当のところは2〜3号機の放射性キセノン濃度も1号機と同じ精度で測定していているのに、ND 表記したいがために都合よく検出下限を引き上げているではないのか?という疑念が拭えません。


 そういう意味で、あの資料には、奴らと奴らの仲間にだけ分かる暗号が仕込まれているのだと思えてなりません。

実はXe135が2〜3号機では1号機と比べて数十〜100倍は出てるのだ
どういう意味か分かるだろ? あとは察してくれ

 このように読み解くべき資料なのではないでしょうか。