下山

 無事に山から下り、車の回収のためバスに乗車する。
 殆どの人が終点まで行くなかで、一人だけ途中下車した。
 その途中下車地こそが本来の玄関口な訳だが。


 新穂高の林道に似た風貌の、その道をひたすら登る。
 昨日ラクした分、今日は少し面倒だが、ザックは麓に置いての空荷での林道歩き。
 行くときには気がつかなかったが、脇を流れる清流の淵など、その美しさに見とれながら1時間ほどを軽快に歩いた。


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 なんぢゃこりゃー


 行くときには、こんなゲートなんて無かったぞ!!
 いや地図にはゲートと記されてるので、きっとあったのだろう。
 上流で行われている工事関係者の往来のため、昨日の朝はたまたま開け放たれていただけのことらしい。


 とりあえず、更に奥の車を置いた場所までトボトボ歩く。
 ゲートから15分前後というところか。
 隣に駐車してあった車は既にいない。仲間がいるぞ〜と思った車たちは、工事関係者のものだったのだろうか。


 最奥の工事現場まで行ってみるも、途中の事務所をのぞいてみるも、人気は全くない。
 月曜日の朝まで缶詰かぁ〜 いや待て、もし月曜が雨だったら「今日は仕事休み」って言う話にもなりかねないぞ。


 でも、ここで諦めてはいけない。
 手がかりを求め、事務所付近を徘徊する。


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 おー、緊急連絡網なんてものが張ってある!
 さすがに「来て開けてくれ」とまではお願いできないが、翌月曜日には天気が悪くてもゲートを開けてくれるのか、それだけでも聞かねば!と思い、メモ代わりにデジカメで撮影して、ケータイが使えるところまで下りる。


 ケータイが使えるところと言っても1時間下の麓なわけだが。。


 麓に着いて名簿順位1番の人に電話を入れてみると、「あしたは開けるけど・・・」と。
 おおー、とりあえずは最悪でも1晩ゲート前でビバークすれば済むのか〜
 とは言えども、出来ることなら今日のうちに帰りたい。
 そんな空気を察してか、その御方「実はですね内緒の話なんだけど、扉を開ける秘密の呪文があるんですよ」


 なぬーー


 その扉を開ける呪文とやらを克明に聞き留め、また1時間余りかけて林道を登る。
 今度もし失敗したら、また1時間かけて下りないといけない。
 間違えないように慎重に言葉を選ぶ。






アバカム

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 うぉーーーー開いたぁぁぁ
 というわけで、無事脱出に成功しました。(開けた扉は閉めて帰りました)




p.s.
 引っ張って申し訳ないです(笑)
 写真の整理がつかないもので・・・・


 憧れのコースを快晴の天気のもと歩け、更に、これまた憧れ(←ちとオーバーか)の人にも出会え、19号で睡魔に襲われて本当に良かった〜♪という気分でございます。
 数日内に写真やらアップする予定で頑張りますね。