あっぱれ MSAS

 昨日 9/27 から MSAS が正式に運用開始となった。
 GPS 沼に膝上くらいまで浸かってしまった我が身としては、スルーできないネタである。


 まず MSAS とは何ぞや、という話になるが、簡単な話、ズレを補正するような反対方向の信号を出す衛星、と考えて良い。
 理論的には正しい位置を示すことになっている GPS だが、実際のところは宇宙空間から電離層を経て地上に届くまでの間で、電波に揺らぎが発生する。
 アメリカが管理している衛星なので、「日本上空における電波への影響度」なんて考慮していない。


 例えば基準点から -1 -2 -1 -3 0 +2 +1 と1秒おきに変動していった場合、+1 +2 +1 +3 -2 -1 とその変動を打ち消すような信号を瞬時に計算して作り出し、GPS 衛星群の一つとして振舞っている衛星から信号を発信させ「正しい結果になるように無理やり辻褄を合わせさせる」というものだ。


 テストの答えだけが分かってて、その答えになるように問題を作り変える、というニュアンスに近いのだが、まぁ結果として基準点を日本に置いて信号処理した衛星を配置することで、日本周辺における誤差は格段に減少する。


 手持ちの PSP + MAPLUSW-Zero3 + USBGPS2 でも、その効果は歴然としたものだった。


 これまでは静止した状態であっても、どちらも周期的に十メートル前後の範囲でフラフラと現在地が揺れていたのだけど、それが全くなくなった。
 現在地は動かない。


 「現在地が動かない!」と言われても、GPS 沼に入り込んでいない人には !? だろうけど、自律測位しか出来ない(GPS からの信号だけが頼りな) GPS 端末の場合、これは凄いことなんだ。


 車の専用カーナビの場合は GPS の位置情報以外にタイヤの回転速度(スピード)などのデータも得ている。
 GPS からの信号で「動き」を感じたとしても、タイヤが回っていなければ「動いていない」と判断して GPS からの信号に忠実に従うわけでない。


 W-Zero3 + USBGPS2 で取得した位置を Mapple で表示させた場合、片側3車線以上の道路の場合、一番歩道寄りと中央分離帯寄りとを判別できた。
 もちろん静止していれば現在地は動かない。


 うーん、恐ろしいまでの精度up!!