コアウェーブ CW-167DC 解体

 ヨーグルさん から コアウェーブ CW-167DC も、ってリクエストもらってましたが、ダイコクドラッグなんて近くだと名駅前しかないぽく、今度行く機会があれば・・・って思いつつも名駅前に出かけたときにはスッカリ忘れ・・・
 そんな状態でしたが、たまたま立ち寄った ミーツ にあった DCDC がダイソーやセリアのものと違ってて まさか! って手に取ったら、それこそヨーグルさんからのリクエスト品 コアウェーブ CW-167DC じゃないですか。


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 ダイソーと同じく 1000mA と書かれてますが本当なのでしょうか・・?


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 DCDCチップは定番の MC34063(SOP品)ですが、ダイソーやセリアと違ってインダクタがトロイダル
 円筒形が悪いとは言いませんが、やっぱ電源部って言ったらトロイダルが似合うじゃないですか!!
 ヒューズはアキシャルリード式のもので、切れたら交換が面倒なタイプですが、ダイソーみたいにヒューズを外してしまうよりは遙かにマシです。


 5Ω セメント抵抗を使って 1A の実証実験です。

通電直後 10分経過
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 ちょっと際どい感がなきにしもですが、定格-5%くらいならば概ね合格です!


 ダイソーと同じ SOP品の MC34063 を使っていながら 1A を達成しているとは、すばらしい。
 トロイダル型のインダクタが威力を発揮していることは明らかですが、ダイソーのはそもそも標準では 1A 出ない上に、インダクタを大電流品(低抵抗品)に交換しても、MC34063 の発熱のせいで電圧降下を引き起こしてしまいましたが、こちらの コアウェーブ CW-167DC は MC34063 はチンチンになっているものの、ほぼ 1A の出力を保っています。


 なんで?
 出力に影響しそうな違いは先ほどから出ているインダクタのほかに

  • キャッチダイオードが違う
  • MC34063の入力側にある電流検知用のシャント抵抗の値が違う

くらいに見えます。


 キャッチダイオード、セリアおよびダイソーは共に 1N5819 に対し、CW-167DC のは表面実装の SS34 というもの。
 どちらも一見すると Vf:0.5V で同じに見えますが、SS34 は 0.5V@3A に対し 1N5819 は 0.5V@1A です。
 一般的に電流が少なくなるほど Vf は改善(小さく)なっていくので、SS34 の 1A 時の Vf は 0.5V じゃありません。


 データシートの4ページに記載がありますが、1A 時は 25℃ 時で 0.41V くらいになるようじゃないですか。
 これだけで効率1〜2%くらい変わってきそうですね。


 次にシャント抵抗。
 これまでは不勉強であまり考えてませんでしたが、データシートをよくよく読むと、ここの抵抗の両端電位が 300mV(0.3V) を超えると MC34063 はリミッターが作動するとのこと。
 V=IR より I=V/R で、それぞれのシャント抵抗に対するリミッター作動点を求めてみます。

製品 シャント抵抗(Rsc) リミッター(Ipk)
ダイソー自称1000mA 0.22Ω 1.36A
セリア800mA 0.15Ω 2A
セリア750mA 0.25Ω 1.2A
CW-167DC(1000mA) 0.15Ω 2A


 MC34064 の Ipk(max) は 1.5A で、データシートにもシャント抵抗(Rsc)は 0.2Ω以上にしろ的なことが書かれていましたが、ゴミ認定したダイソー自称1000mAはシャント抵抗の仕様を満たしているのに対して、優秀だと思ってた セリア800mA および今回良好な結果を出した CW-167DC、ともにデータシートの要求仕様を無視しているではないですか!


 以前に セリア800mAをヒューズレスで使ってて周辺機器を巻き込んで破壊 の頃には不勉強で保護回路は一切なしだったと書きましたが、どうもセリアは、シャント抵抗 0.15Ω であったがために、MC34064 の上限 1.5A を超えて 2A までリミッター作動せず、結果として破壊した可能性が強くなってきました。


 ちょっと事情が複雑になってきました。


 セリア800mA と CW-167DC とは、本来の絶対上限を超えた「限界域」で作動して 1A の安定出力を実現しているのでしょうか!?


 オシロスコープを使ってドーピング疑惑を解明してみようと思います。
 ちょっと長くなるので、続きはこちらで!