ガイガーロガー製作 〜ハードウェア編
GPS連携ガイガーロガー作りを開始しました。
ようやく電気配線じゃなくて電気工作って趣になる予定です。
ネットで収集した基本概念を踏襲しつつ、できるだけ部品点数を減らし(省エネ性を犠牲にしてでも)、各部品の定数はオシロ見ながら「美しいと感じる波形」になるように近づけたつもりですが、詳しい方おられたら是非とも「こんな回路いかん!」とか叱ってやって下さいませ。
分不相応にもアノード側(高圧側)でパルス検知しています。
回路図(クリックすると大きく見えます)
高圧生成部分と制御用電源 | ガイガーミューラー管の周辺 |
高圧生成部分の部品
S-05584 | 小型インバータ | 800円 | 最大800Vまで、付属する冷陰極管は捨てます |
UF2010 | ファーストリカバリ高圧ダイオード | 40円 | インバータが80kHzなのでTRR<1μsくらいの |
1kV 3300pF | 高圧コンデンサ | 約50円 | 耐圧1kV以上で容量1000p〜0.01μFくらいの |
LM1117T-ADJ | 低損失可変レギュレータ | 約200円 | 2〜3Vの間で微調整できるもの |
1/4W 120Ω | 抵抗 | 約1円 | 使用する可変レギュレータの仕様に合せて選択 |
1/4W 100Ω | 抵抗 | 約1円 | 使用する可変レギュレータの仕様に合せて選択 |
10V 10μF | 電解コンデンサ | 約10円×2 | 発振防止 |
1P | ピンヘッダ | 約1円×4 | 秋月インバータの足に使います |
制御用(マイコン向け)電源
XC6202P332TB | 低損失レギュレータ | 50円 | 3.3V品。マイコンを5V仕様にするなら5V品にする |
10V 10μF | 電解コンデンサ | 約10円×2 | 発振防止 |
ガイガーミューラー管の周辺
J305βγ | GM管 | 4000円くらい | プラトー電圧400V前後のものが扱いやすい |
1/4W 10MΩ | 抵抗 | 約2円 | 10M〜22MΩくらい |
1/4W 1MΩ | 抵抗 | 約1円 | |
1kV 10pF | 高圧コンデンサ | 約50円 | 直流遮断用なので大きい容量は必要ない |
50V 47pF | コンデンサ | 約5円 | パルスを横へ引っ張ります |
1/4W 100kΩ | 抵抗 | 約1円 | |
2SA1015 | PNPトランジスタ | 約5円 | PNPなら何でも可 |
秋月の完成品小型インバータを用いることで、消費電力的には少々不利にはなりますが、本当にこんだけでいいのかなぁ〜ってくらいの超シンプル回路となりました。
ちなみに秋月インバータは最終段にある表面実装コンデンサをショートカットして使います。
カップリングコンデンサから右側には正電圧は来ないはずなのですが、何かの拍子で VCC を上回る電気が流れてきたら、VBE>0 になってトランジスタが壊れるかもしれません。
最悪の事態下で、万一にもカップリングコンデンサの容量が抜けてツーツーになったときは・・・トランジスタのベースに400Vが印可されるなんて怖くて想像できませんが、たぶん後段の部品を巻き添えにして瞬殺でしょうか・・・?
保護回路は今後の課題として、まずは回路をブレッドボード上に組み上げます。
制御用(マイコン向け)電源を除いた核心部を 17×5×2 のブレッドボードに何とか納めました。
大変に賑やかです。
普通はプラトー電圧の微調整のため、1GΩの抵抗で分圧しながらテスターの20Vレンジあたり使って・・・とやるのですが、この秋月インバーターは大変にパワフルなのでテスター当てたくらいでは電圧降下しません。(ただし最高で800V来る可能性があるので、1000V測定可能なテスターを推奨します)
→1GΩ分圧しての計測も試したが変化なしだった故、「大変にパワフル」と断定しました。
普通の1000Vテスターを使ってプラトー電圧の追い込みをかけることが出来ます。(アノード抵抗10MΩの左側を計測)
この秋月インバータは5V入力で最大の800V(半波整流したあと)が出ますが、試行錯誤の結果、2.28V を印可したところで丁度 380V になりました。(J305βγの最適プラトー電圧)
希望する電圧になるように可変レギュレータの電圧(秋月インバータの入力)を調整します。
実際にガイガーミューラー管をつないで SENCE ポイントにオシロ当てて通電させます。
通常は VCC の電圧を維持していて、ガイガーミューラー管が放射線を検知すると GND(0V) までストーンと下がる負論理の波形を描きます。(上記オシロの波形は VCC=3.3V 時)
マイコン側で、この負論理を捉えてカウントしたらオシマイって寸法です。
終段の 2SA1015 はスイッチとしてしか使ってないので、いちお 3.3V系 でも 5V 系でも使えます。(プラトー電圧は別系統の電源で作ってるので制御電圧とは無関係)
オシロで波形みてるだけではツマラナイ・・・とは言えマイコン部までは辿り着けない、ってことで、手持ちガイガー YS-GC712 の登場と相成ります。
こちら、回路を追った結果、PIC16F88 の3番ピンにトランジスタからの負論理トリガーを得てカウントする仕組みぽいので、3番ピンだけ折り曲げたICソケットを挟んで3番ピンをメイン回路から切り外し、今回つくったこばさんガイガーの SENSE ポイントにつなぎ替えてカウントさせます。(電源電位は共通がよいので、YS-GC712から5Vを奪います)
ものの見事にカウントしてくれました。
上の写真は瞬間値でして、直前1分間が 33cpm、今は13秒で5カウント、って風です。
一晩放置した平均は 31cpm ほど。この値が高いのか低いのか・・・?
μSV/hへの換算計数が手元にないのでよく分からないですが、マイコン部を仕上げるまでには換算計数を調べておこうと思います。
次はマイコンを繋いで、カウントさせつつGPSの位置情報を読みながら、両方の情報をまとめて microSD に吐き出す部分、がんばって作ります。
追記
GPS、microSD 等々全ての要望を満たす 若松ネットガイガー が発売されたことで、こばさんガイガーカウンターの製作は一時中断です。
追記(2011/10/25)
検知部のトランジスタをオペアンプに変更し、マイコンに mbed を装着させた、Mark2 互換機 を作りました。