ほぼ無傷で生還したのは奇跡的なことらしい

 今日はディーラーに残置してある車の後片付けに出かけた。
 廃車同然になった我が車であるが、私が無事に生還できたのもこの車が守ってくれたお陰だ。
 せめて車内だけでもキレイにして見送りたい、そう思い朝から後片付けに出向いた。


 昨日は良く見なかったが一晩あけて見直すと、相当に激しい衝撃であったことに愕然とした。
 直接的には衝撃を受けていない車内のはずだけど、アチコチで色んな内装部品が脱落していた。

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 これはトランク周りであるが、トランクの電球ユニットが脱落してるほか、リアのランプの交換くらいでしか外さない部分も、見事に脱落している。
 運転席や助手席のあたりには、山に持ってあがろうと思っていたゼリーが木っ端微塵に弾けて内容物が両席の足元に散乱していた。
 最も驚いたのは、座席の位置が、数センチ横方向にズレていたことだ。
 普段は中央コンソールとの間の隙間に物を落としてしまったから、割り箸で摘まないと取れないような狭い幅だったところが、くるぶしが入るほどに広がってる。


 外周りは特に悲惨だ。


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 前輪は両方ともドライブシャフトから完全にもげている。
 さすがにノーブレーキで突っ込んだだけのことはある。


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 特に惨いのは(運転席から見て)左前方だった。
 私の記憶の中では、右側壁に突っ込んでいるだけの筈だったが、実際に大きなダメージを受けていたのは右側よりもむしろ左側だった。
 どうやら右側面に突っ込んでから、反動で左側に吹っ飛び左壁面に相当な衝撃でぶつかったようだ。


 エアバックは仕組み上、爆発的に膨らんでからすぐに萎むらしい。
 私がエアバックの萎む様を見ている(その後は衝撃を感じていない)ことから考えて、最初に右側壁へ衝突した際にはエアバックは作動せずに、左側壁に叩き付けられた時点でエアバックが作動したと思われる。


 最初の右側壁への衝突の時点でエアバックが作動してしまってたら、次の左側への大きな衝突時には無防備な状態になっていて、モロに衝撃を受けていたに違いない。
 右側壁への衝突角度がエアバックの作動範囲からズレていて偶然にも作動せず、次の左側壁での大衝突で初めて作動したと思われる。


 最終的に車は追越車線側の路側帯に乗り上げて、左後部を側壁に擦りつける形で停車した。


 車のブレーキは左前-右後・右前-左後という2系統に分かれてる。
 残置してあるディーラーで確認した限り、左前はブレーキホースごと粉々になっているので、左前-右後の系統は左側壁への衝突で機能不全に陥ったと思われる。
 右前は足回り自体は完全に壊れていたけれど、ブレーキフルードが漏れている様子はなかったので、右前-左後の系統は生き残っていた可能性が高い。


 私が途中でブレーキペダルを踏み直しているので、左後のタイヤにだけに制動がかかることになる。
 車が進行方向の反対方向を向きながら滑っていく最中で、左後を軸として時計回りに回転しようとする動きが働いて、右(追越車線側)の側壁へ左後から突っ込み、そのまま壁に車体を擦りつけながら停車したと思う。


 右前→左前(エアバック)→左後、と同じ角を2回ぶつけずに衝突したお陰で、車は大破したものの、安全に減速できて生存スペースが無傷な状態で確保できた。


 事故慣れしているレッカーの人も私が無傷であることに、とても驚いてた。
 「呼ばれて行けば9割は全損状態ですよ〜ははは」なんて笑ってた。


 更に、あれだけ派手にやると普通はフレームが歪んでドアが開かなくなるらしい。
 意識があってもドアが開かない!と慌てているうちに後続車に突っ込まれたり、ガソリンに引火して命を落とす人がとても多いそうだ。


 私の場合は、幸いにもドアが普通に開いた。
 後で分かったことだけど、助手席側のドアも普通に開いた。


 普通の事故は衝突前まで、ある程度はブレーキで減速できていることが多く、走行速度 > 衝突速度であるけれど、今回のように時速百数十キロからノーブレーキで突っ込んで無事に済むことはあり得ないらしい。
 土曜の早朝で後続車、特にトラックが居なかったことも幸運だった。
 これだけ幸運が重なって無傷で停車できても、10tトラックが背後に居たらペシャンコになってる。


 そんな風に周囲の話を聞いてると、「私は生かしてもらえたのだ」、とつくづく感じた。
 首の痛みだって、ビール飲めば忘れるくらいなんだから、大したことは無さそうだ。

 少し大げさであるけれど、今こうしてキーボードを打てていることに感謝したい。