モバイルバッテリーの省電力作動(自動 OFF)を無効化するダミー負荷の製作
Quick Charge 対応のモバイルバッテリーに対して、(5V以外の)出力電圧を指示するモジュールをマイコンを使って作りました。(当時の記事)
電気工作の安定化電源として使うには精度が悪すぎる(QC 自体が、そこまで精度を追求する目的じゃない)ため使えませんが、長時間の動画撮影をするときなんかにデジカメへの電力供給に使ってます。
ガンガンに電気を使い続けていればいいのですが、撮影しないで放置しておくとデジカメが省電力モードに突入→モバイルバッテリーも省電力モードに突入(自動OFF) という風になって、再始動させたいときにいちいちモバイルバッテリーを ON にしてやる操作から始めないといけません。
モバイルバッテリーを ON にしてやった場合でも、デジカメを操作してさっさと「電気を食わせる」を始めないといけません。
だらだらやってると、またモバイルバッテリーが OFF になってしまいます。
「うわぁ、前置きなくイキナリ始まりやがった、急いで録画ボタン押せねば」ってところでこんなことが勃発するとストレス max です。
モバイルバッテリー用ダミー負荷 でググってみると、2000円くらいで販売されているのを見つけましたが、電流調整とか凝った機能が付いているにせよ、ちょっと高すぎます。
ということで、あり合わせの材料を使って、シンプルに作ることにしました。
- USB ON/OFF スイッチ付きコネクタ(100均)
- 定電流源IC 30mA ×2 (秋月で 10個・250円)
※以下の写真はクリックすると大きく見えます
1.USB ON/OFF スイッチ付きコネクタ を分解します。
簡単には開かず、マイナスドライバーなどでコジらないといけないので多少の傷は覚悟して下さい。
(上達すると、指摘しないと分からないくらいの傷で済むようなりますが)
2.この辺をパターンカットします。
3.ちょうどいい長さでしょ
向きは写真のとおりで、左がカソード、右がアノードです。
4.定電流源IC(定電流ダイオード) 2個をパラって、60mA です。
あと、抵抗の足などを使って左のように渡します。
「USB ON/OFF スイッチ付きコネクタ」の元々のスイッチの動作は通電の ON/OFF ですが、上記の改造によって、常時通電でスイッチはダミー負荷の ON/OFF という風になります。
元通りケースに填め込んで、銘板(笑)を貼り付けたら完成♩
電圧が低いのと発熱の関係で、定格どおり 60mA ジャストにはならないですけど、抵抗じゃないので電圧に関係なくほぼ一定電流を消費してくれ、モバイルバッテリーが省電力モードに突入するのを防いでくれます。
5V時:5V×0.03=0.15W/CRD(CRD×2 で 0.3W の発熱)
9V時:9V×0.03=0.27W/CRD(CRD×2 で 0.54W の発熱)
12V時:12V×0.03=0.36W/CRD(CRD×2 で 0.72W の発熱)
※12Vが上限と考えた方がいい
(追記)
我が家には10000mAhクラスのモバイルバッテリーが2つあるのですが、そのどちらであっても 60mA の消費で自動 OFF を無効化することができました。
とはいえバッテリーによっては、60mA では不足で、もっと電気を使わないといけないものがあるかもしれません。
そんなときに 30mA × 2 の部分に更に 20〜30mA ほどパラってやって、電気を使う量を増やして下さい。
(追記2)
Quick Charge なモバイルバッテリーを 5V 以外の出力で使うことを想定して、わざわざ定電流レギュレータ(≒CRD)を用いましたが、ターゲット電圧が 5V オンリーという風だったら、CRD の代わりに普通の抵抗にしちゃっていいと思います。
1/4W 型な抵抗を使う場合だったら、150Ω〜200Ω ×2パラ くらいでちょうどいいかと。