MP1584 がショートモード破壊して CTR350 等々巻き添え死亡

 ルーフレールに 50Wソーラーパネル を載せ、自作の MPPT昇圧充電器 を介して 12V×2直列 なサブバッテリーを充電しつつ、J209 を2本搭載した超高感度ガイガーカウンターで移動中も停車中も 24時間365日、ずっと放射線量値を測定しモバイルルーターを通じて毎分アップロード、ということをやってました。
参考記事


 モバイルルーターや若松ネットガイガーに必要な 5V を鉛蓄電池×2直列から取り出すにあたり、ずっと秋月の HRD05003 を使ってました。
 これ自体は全く問題ないものの、昔は大丈夫だったのに最近はキーレスが至近距離(フロントガラスの特定位置に密着)させないと作動しないという現象が起き始めました。
 HRD05003 を止めると以前のように遠くからキーレスが使えるため、原因は HRD05003 です。


 こいつのスイッチングの周波数は 240〜360kHz ということになっているのでキーレスの周波数(125kHzあるいは134kHz だそうです)とは被らないはず。。。
 実際に最初の頃は全く問題なかったのですが、時定数を司るコンデンサが経時劣化で容量抜け・・・いや容量抜けしたら普通は周波数が上がるか・・・何かの原因で周波数が変わってキーレスの周波数に混信するようになったのではないか?と思いました。


 DCDC を変えれば済むだろう・・・と単純に思いつき部品箱を漁ると、5V UPS で使った アイテンドーの極小降圧モジュール MP1584 の予備ストック品が出てくるではないですか。
 データシート によると RFREQ=100kΩ 時のスイッチング周波数 900kHz だそうなので、キーレスと全く干渉しないはず。


 これには過放電防止にも使えるヒストリシスの付いた EN ピンが生えているため、GND 側の 100kΩ に 6.8kΩ をパラってやって、シャットダウンを 22V 付近にしてやりました。


http://dl.ftrans.etr.jp/?076abe1d86464382af35251b7a853b24a680834d.jpg

(注意)
 標準だと VIN − 100kΩ − EN − 100kΩ − GND という風になってます。
 入力電圧を 1/2 に分圧したものが EN ピンに印可されているのですが、データシートによると EN ピンの絶対定格は 6V だそうで、入力が 12V 以上だと EN ピンは 1/2 で 6V を超えてしまいます。
 12V 以上で使うときは、GND 側の 100kΩ に適当な(計算で求めた)抵抗をパラってやるか、5.1V くらいのツェナーを追加して EN ピンを保護してやらないとダメです。

 可変電源を使った無負荷でのテストは期待どおりの動作をしてくれたので、いざ本番ということで、HRD05003 を MP1584 に入れ替えてやったんですよ。


 まず MP1584 の入力側を鉛蓄電池×2直列 に繋げただけで出力電圧をテスターで測り、きちんと希望電圧(5.3Vくらいにセットしといた)が出ていることを確認。
 バッチリですんで、負荷(モバイルルーターと若松ネットガイガー)とを出力側につないだ瞬間・・・


 夜中に作業していたので特に目立っただけかもしれませんが、なんと MP1584 の中央(チップ)に火の玉が出現!!!
 と同時に、あの特有の、臭いが・・・


 ぎゃぁあああああああ


 もともと 5V3A な HRD05003 で動いていたので、そのまま 5V3A な MP1584 でいけると思ったのですが・・・
 通電直後の、ほんの一瞬の過負荷に耐えれず MP1584 が燃えてしまったようです。


 ちょっと弱すぎだろ


http://dl.ftrans.etr.jp/?346189471a8043a9af7c8cde987848c9c54cce4d.jpg http://dl.ftrans.etr.jp/?75b61e51e6bb422c9e7a43e0d9b56468736b6c3d.jpg


 どうも破壊時にショートモードになって鉛蓄電池2直列分の電圧が出たらしく、ガイガーの液晶とモバイルルーターが死亡。
(mbed自体はボード上のレギュレータが耐えてくれて難を逃れた)


 液晶はいいとしてモバイルルーターが痛すぎる・・・
(POWER の LED が点灯するのみで、マイコンが逝かれたか他が反応なし)


 有線LAN があって、PHS の USBドングル を収容できる貴重品だったのに・・・