Mark2 互換機に複数管を装着

 ボードオレンジの mbed の各ピンにガイガー管からのパルス信号を突っ込むだけで「Mark2互換機」なんて勝手に称してしまってますけれど、微細な(超ハインピーダンスな)信号を扱うアナログ回路って難しいですねー
 つくづく思い知らされました。


http://dl.ftrans.etr.jp/?4ddbcff28ff64dcf8db5d33d5d76f43c3a7072a0.png http://dl.ftrans.etr.jp/?b48af78c8ff948efa8290019ffbdb00bf32dbb33.jpg
(クリックすると大きく見えます)


 以前の予定回路 との違いですが、秋月インバーターの基準電圧調整、1kΩの可変抵抗は調整がシビアすぎて大変なので、75Ωの固定抵抗+100Ωの可変抵抗に変更しました。
 だいたい300〜500Vの範囲をラクチンに調整できるようになりました。
 調整を間違えても最大で500Vですので、400V仕様のガイガーを直ちに破壊することはありません。


 次にアノード抵抗を 22MΩ→10MΩ に下げてます。(トランジスタを使って作ったときに戻したというべきか)
 「小さいよりは大き目のほうがいい」とは言え、やっぱ 22MΩ はハイインピーダンス過ぎました。


 あと、オペアンプの手前に苦し紛れに入れてみた 0.1μF などという巨大なセラコンを撤去しました。
 0.1μF を挿入することで結果的に解消させたノイズ問題、結局のところは、カップリングコンデンサからオペアンプへ向かうジャンパー線が、アノード配線(カップリングコンデンサの片方からGM管へ向かう線)の近くを通っていたことで、空中でノイズを拾っていただけのようでして・・(お恥ずかしい限り)


 カップリングコンデンサの出口〜オペアンプの入口 の間でノイズを混入させないことがキモですね。
 完全に撤去でも大丈夫ぽい雰囲気でしたけど、一応お守りで 1pF と微量なセラコンだけ残してみてます。


http://dl.ftrans.etr.jp/?7e88647dc8e445b4b7425e2419e287bdd5543bc1.jpg


 env.ini の中の gmtype をコメント化し、管調整モードにしたところです。
 lcdLayout=2 にして、上段を60秒平均に下段を10分平均にして撮ってます。


 左から順に、GMInterrupt0 で指定したピンに繋がった管、GMInterrupt1 の管、2の管、3の管、で cpm 数が表示されてます。

管番号 GM 公称標準BG(cpm)
0 STS-6 60〜70くらい
1
2 J306βγ 90〜100くらい
3 SBM-20 20くらい

というに繋がってまして、概ね本物ぽい感じの数字ですよね。
(アノードへはSBM-20に合わせて380Vをかけてます。STS-6とJ306は推奨400Vですが、誤差5%くらいは無問題)


 さて、校正(cpm→μSV/hの換算係数の算出)ですが、今の Mark2 のデフォルト係数(129.032、オフセット-0.032)は割と優秀で、誤差が少ないという噂ですので、Mark2 を基準機に見立てて簡易校正するときの手順を書いておきます。


1.基準機の Mark2、互換機ともに、Logging サービスを有効にして内蔵フラッシュディスクか microSD にログ保存する
 (出力書式の中に「UPTIME」と「F_COUNT」を含めておくこと) 
2.同じ場所において一晩くらい放置する
3.両方のログを取り出してメモ帳で開く
4.起動から1時間くらいあとの適当な時間の行を取り出す(UPTIME と F_COUNT を控える)
 → この値を仮に UPTIME_A、F_COUNT_A と呼ぶことにする
5.さらに、そこから数時間後の行を取り出す(同じく UPTIME と F_COUNT を控える)
 → この値を仮に UPTIME_B、F_COUNT_B と呼ぶことにする
6.基準機で、(F_COUNT_B − F_COUNT_A) ÷ (UPTIME_B − UPTIME_A) × 60 ÷ 129.032 − 0.032 を求める
 → 数時間分の平均μSV/h値
7.校正したい互換機で、同じように (F_COUNT_B − F_COUNT_A) ÷ (UPTIME_B − UPTIME_A) × 60 を求める
 → 数時間分の平均cpm値
8.何かの線源を双方の機械から等距離の位置に置き同じことをやって基準機の平均μSV/hと互換機の平均cpm値を求める
9.二点キャリブレーションの方法 に見習って、それぞれの値を互換機の GM特性ファイル にセットする


 ミソは「数時間放置して長時間の平均値を使って校正する」という部分です。
 時間が長ければ長いほど、基準機の Mark2 により近い値になるはずです。


 あとは二点キャリブレーションの高い方を合わせるための「何かの線源」が手に入れば。


追記(2011/11/20)
 上に書いた方法で、管3(SBM-20)の分だけの12時間平均cpmを計算したら 約21.5cpm。
 同一場所におかれた2台の標準 Mark2 が共に 19.2〜19.3 なので、私の互換機は 10% くらいノイズを拾ってそうです。
 もう少し追い込みが必要ですね。(何か定数いじっても結果が分かるのが数時間後、ってのが辛いですけど)