Mark2 互換機を試しに作ってみる
ずっと前にネットガイガーを目指して製作を開始した ものの、直後に若松ネットガイガーが登場してしまい、ずっとブレッドボードに載せたまま絶賛放置してました、こばガイガーの残骸を引っ張り出してきました。
あとはマイコン部を作るだけ、って段階でしたけれど、せっかく mbed という高機能なマイコンが手元にあるわけですから、そっちを繋げてみます。
ソフトは Mark2 で使っているものと共通です。(よって互換機と表現)
若松ネットガイガーは正論理(立ち上がり)をカウントする仕様なのですが、私の作った検知回路は負論理の信号を出すので、「GMInterruptMode」というパラメータを新設して、GMInterruptMode=1 で負論理(立ち下がりで割り込み発生)に対応させ、こばガイガーの出力を mbed の17番ピンに繋げました。
いちおカウント数は出始めたのですけれど、60cpm とか当地ではアリエナイ数字に・・・
ガイガー管に放射線が入射することで起きるアノードの電圧降下をトランジスタで拾っているんですが、もともとが実にアナログチックな波形(富士山の右側みたいなカーブ)なので、デジタルに都合のよい波形とは言えません。
調べましたところ、mbed は一応はシュミットトリガーだそうなのですが、その閾値の幅が実に狭い・・・(参考記事)
0.3V を下回ったら H→L と判断するのはいいとして、0.7V を上回っただけで L→H と判断するのは、どうなのかなぁ
0.3V〜0.7V の範囲でギザギザしちゃうと、どんどんカウントされてしまうようで。。。
HighLevel が 0.7V って点が低すぎるんだよっ(これが 2V くらいだったなら、テキトー回路でも誤カウントしないのにぃ)
じゃあ若松ガイガーのほうはどうしてるのか?と眺めてみると、私のようなトランジスタでお気軽回路〜じゃなくて、オペアンプをきっちり飽和させてコンパレータとしてデジタルチックな波形を作ってるようです。
というわけで前置きが長くなりましたけど、こばガイガー のほうもトランジスタを捨ててオペアンプにしてしまいます。
若松ガイガーの方は、LMC662 という高級品を使ってますが、私のほうは手持ち定番在庫で LM358 としました。
高電圧生成のところは、以前に作ったもの を流用してます。(インバーターに 2.28V を入れて 380V を生成)
アノード側からはカップリングコンデンサを経て直流の高電圧がカットされ、放射線ピコーんに伴う電圧降下の分だけが負電位で出て来ますので、オペアンプの「-」に繋いで、教科書通りの反転増幅かければ、mbed に都合いい正論理な波形が出てきます。
私のは高圧生成をインバーター(しかも無駄にハイパワーな)で作ってる関係で、かなりノイジーなんですけれど、耐圧の関係で電源部でノイズをなくすことは困難(高圧部品は高いのだ)
リプルの先鋭電圧はガイガー管の仕様範囲内なので、少々のノイズは無視してガイガー管に投入してますが、そのリプルが交流成分を帯びているためカップリングコンデンサの右側に僅かですが漏洩してしまってます。
トランジスタと比べものにならない増幅率バツグンなオペアンプが、そのリプルをも増幅してしまうので、カップリングコンデンサの横で 0.1μF 入れてノイズを切り捨てる努力をしています。
(オシロで0.5V地点にトリガーかけて試行錯誤した結果、ノイズ成分が引っかからないためには 0.1μF が必要だった)
オリジナルの10倍もの容量を挿入していることで波形が横に伸びるため、反対にオペアンプの積分コンデンサの放電を早めるべく並列で入れてある放電抵抗を 1/10 の 1MΩ にしてあります。
(それでもオシロで見ると、オリジナル版よりも波形が少し長めなのですけど・・・)
LCDの枠がくり貫かれた弁当箱状のものの中に GM管 が入ってます
まだ、こんな豆サイズなブレッドボードでやるんか!って感じですが、mbed への出力部を見てるオシロの波形が良い感じの方形波を描いているの、分かりますでしょうか?
それ以前に、秋月オシロ(4700円)かよ、って声が聞こえてきそうですけど(笑)
このまま一晩放置して様子見したいところですが、ちょっとしたことで隣の抵抗と足がくっついたりして、mbed を破壊してしまうと懐に痛いので、広いスペースに引越しします。
(広いブレッドボードも持っているのだが、どうしても小さいほうを使いたくなるのは貧乏根性が抜けないからか!?)
最初のうちは 30cpm 前後とか出ましたけれど、1晩たつと 20cpm 前後に落ち着いてきました。
J305βγ は SBM-20 と感度が大差ないので、あまり実用的な意味はないですけれど、BGで70cpm前後を弾くと言われている STS-6 という高感度管(400V稼働)の手持ちがありますので、そちらに換装して挙動を確かめてみたいと思います。
STS-6 くらいの感度があればホットスポット探しに使えるはずです。
(追記)
上記J305βγの測定値を ログーる に飛ばしてグラフにしました。
追記(2011/11/10)
LM358 が2回路であることを活用して、STS-6 を2本パラで装着させたもの試作してみました。
2本合わせて概ね 130〜150cpm くらいでカウントしてます。
構想としては4回路オペアンプを使って、最大で同時4管まで対応させたいな、と。
近日中に改めてレポ書きます。
追記(2011/11/19)
4回路オペアンプを使って4管まで対応させました。
11/19の記事 で詳しく書きましたが、当10/25で 0.1μを挿入させて克服して解決したノイズ問題は、単にジャンパー線の配線ルートが悪くて空中でノイズが乗ってただけと判明。
最終的には御守りとして 1p 入れただけの回路になってます。