車載充電器の改良
若松Mark2を車載し、秋月の 12V12AH な鉛蓄電池 をサブバッテリーに使って駐車中にも給電を行い、いわば移動式モニタリングポストとして色々と実験をしていますが・・・・と 以前に書いたブログ のとおりですが、このサブバッテリーへの充電には 秋月の鉛蓄電池充電器パーツキット を使用しています。
前段(鉛蓄電池充電器の入力)には、「車でノートパソコンが使える」というキャッチで3000円弱で売られている 19V・4A な昇圧DCDCを使ってます。
充電キットは 説明書 が公開されていて同じ部品を単品で集めると、専用基板を除けば500円もかからないというわけで、パターンの引かれた基板に500円の価値があるかどうかは別にして、実に手頃な鉛蓄電池充電キットだと思います。
このキットは説明書のとおりに組み立てますと
最大最終電圧 | 13.7V | 最大充電電流 | 2.2A |
として出来上がります。
12V12AHな鉛蓄電池の仕様 によれば、13.7V はスタンバイユースの推奨値であって、私のような、「走行中に充電・停車時は放電」というサイクルユースな使い方では 14.4V〜15.0V までかけて充電して良いこととなってます。
更に最大充電電流は 3.6A まで大丈夫となってます。
標準ではパワーが足りない・・・これに気がつきましたので早速改造です。
部品 | 標準 | 変更 | |
R5 | カーボン抵抗(1/4W) | 7.5kΩ | 9.1kΩ |
R7 | セメント抵抗(5W) | 1Ω | 0.3Ω |
放熱板 | 大きめ |
←クリックすると大きく見えます
調整は秋月標準と一緒で
標準で付いてくるパワートランジスタ 2SD1415 の最大損失(PC) は 25W ですが、最大充電電流 3A の設定でバッテリーを使い切ると、(入力19V-電池10V)×3A=27W という風で限界を超えます。
バッテリーを過放電させていない状態、(入力19V-電池12V)×3A=21W くらいの充電でも、ほぼ限界値に達しているので、秋月であれば 2SC5200 あたりに換装しておくとベターです。
(2SC5020は hfe が小さいのでダーリントン接続も必要)
私の場合、最大出力電圧=14.6V、最大出力電流=3.2A で使ってますので、良い子は真似しないでね、の状態。。
(火曜日に大須の近所を通る用事があるのでアメ横2で大きいパワトラを買ってくる予定ですが)
ちなみにセメント抵抗を1Ωのまま 3.2A を絞ろうとすると → になります。
はい、やっちゃいました(笑)
P = I^2 × R ですので、3.2A^2 × 1Ω = 10.2W で、定格の倍ですから焼け焦げて当たり前ですね。
ちなみに、0.3Ωですと 3.2A^2 × 0.3Ω = 3.1W で合格!
「それならば 0.1Ω の抵抗にしちゃえば発熱 1W でエコじゃん」となるかもしれませんが、この秋月充電器の場合、VR1 を左に回しきってもセメント抵抗間の電圧は 0.68V くらいが下限なので、0.68V ÷ 0.1Ω = 6.8A が最小電流になってしまいます。
相応のパワートランジスタと相応の放熱器でないと、一発で焼損しますし、バッテリーも 6.8A の充電に耐えれるものでないと危険になります。
セメント抵抗 | 最小電流 | 最大電流 | セメント抵抗両端電圧 | 最大PC(出力10V時) | 最大PC(出力12V時) |
1Ω | 0.68A | 2.2A | 2.2V | 20W | 16W |
0.5Ω | 1.4A | 3.1A | 1.55V | 28W | 22W |
0.3Ω | 2.3A | 4.0A | 1.2V | 36W | 28W |
0.2Ω | 3.4A | 5.0A | 1.0V | 45W | 35W |
0.1Ω | 6.8A | 7.0A | 0.7V | 63W | 49W |
入力電圧は19V、セメント抵抗は5W、の前提にて