追記(2014/11/01)
本記事ではオムロン BN150S という UPS を対象にしています。
こいつの輻射ノイズ対策をしていたら、なんと、停電動作中(バッテリー運転中)は AC100V 側とバッテリー側とが絶縁されていないぽいことが判明しました。
交換可能とは言えバッテリー内蔵で、かつ人の手で触れることを想定する必要がないので、バッテリー側との絶縁不要との判断なのでしょう。(記事はこちら)
よって、同一バッテリーを複数 UPS で共用する使い方は禁止です。
どうしても複数 UPS したいときは、UPS のAC入力側に 100:100 のトランスを挟んで明示的に絶縁させて下さい。
複数 UPS じゃない人も、できれば 100:100 のトランスを挟んだほうが安心です。
中古品で売られていた UPS がバッテリー4直列な 48V系 の UPS だったことから、独立型太陽光発電のインバーターの代わりに使え、かつ同時に無停電電源にもなる一石二鳥な品ではないのか? という発想で 前編 で軽く評価してみました。
ちゃんと 54V/1.4A な CVCC充電回路 が備わっていることを確認したため、標準品の 10倍 を超える 48V100AH な巨大バッテリーでも問題ない気がする、という結論となり、実際に繋いでみよう〜という趣旨の話題が今回の後編となります。
私のシステムが 48V系 なので 48V で書いてますが、24V系 の人の場合は2直バッテリーで動作する UPS を見つけてもらえば、同じことが可能だと思います。
すべての供給を UPS 経由にしてしまっても悪くはないと思いますが、手始めにパソコン中心に給電させてみようと思います。
この UPS には電圧を整える AVR トランスが内蔵されているらしいのですけど、そんな精度のよい電源が必要ない冷蔵庫などでは、トランスを通して若干なりとも損失が出るほうが無駄な気もしますので。
(電源を切り替える自動切替機も作ってしまったことですし)
てなわけで、今回の目標はこんな風な感じです。
UPS に停電を引き起こすリレー(信号を受けたら断にする)は新規に製作すべきですけど、取り急ぎ 自動切替機 を拝借。
フォトダイオードの2次側(と呼んでいいのか?)をクリップでショートさせて完成です。
AUX から起動信号が来たらリレーが動いて、商用電力を切り離す(UPSを停電にする)という案配です。
あとは標準バッテリーを取り外して、犬走りに置いてある 48V100AH のバッテリーから来てる線を繋ぐだけ。
見慣れぬコネクタが使われていましたが、調べるとアンダーソンとか言う有名メーカーのもので、50Aだか60Aだか流すことが出来るやつで、コネクタだけで2000円前後もする超高級品。
わざわざ注文するのも面倒だし価格的にちょっと手が出ないので、バッテリーのファストン端子のほうに合わせることにしますが、あのチープな端子に、そんな大電流を流して大丈夫なのでしょうか・・・
うーん・・・
まぁ、近くに可燃物がなければいいだろう、ということにしましょう
手持ちのは 2sq くらいの線にしか圧着できない感じだったので、端子台に直結! (広げて思いっきりネジ締め)
いいのか、これで・・・?
バッテリーからの電気もちゃんと来ているので、いいことにしましょう。
(10A越えで無人常用する場合は正規のコネクタを買ってきて合わせるか、標準ケーブルを切断してきちんと繋ぐべき)
右側の 4CT の先は 20A のヒューズ入り開閉器を経由してバッテリーへ向かってます。
コールドスタート | UPSオン(充電中) |
![]() |
![]() |
ちゃんと定電流が効いてそうな感じですね。
当たり前ですが、MPPT充電コントローラのバッテリー電圧モニターにも充電電圧が表示されます。
MPPT充電器 と UPS とで同時充電させてみます。
54V までは両方がバッテリーに電力供給しますが、UPS のほうは 54V で「マンタン」判定して充電しなくなります。
MPPT充電器のほうは設定 58V にしてあるので、54〜58V の区間は MPPT充電器のみが活躍という風です。
起動 57.6V(1個あたり 14.4V)、カットオフ 49.6V (同 12.4V) と、実験的に浅めの設定で試してみます。
テストとは言え、負荷はド〜ンと繋げてみましょうか。
UPS の入力側をワットチェッカーで計ってて、負荷のほかに UPS の消費電力も含まれていますけど、バッテリー満タンですので、純粋な負荷は 650W くらい。
よーし、スタート♪
(バッテリーの電圧が 57.8V を越えるのを待つ)
充電コントローラの AUX信号 が ON になることで、リレーが UPS を停電にしたら、バックアップ運転に自動移行。
負荷のほうは全く無問題♪♪
先ほど設定したとおり、バッテリーが 49.6V を下回ったら AUX 信号が OFF になるので、リレーが切り替わり UPS に商用電力が供給され(UPS の停電が終了し)ますけど、ここも負荷は全く問題なし。
コンセントを引っこ抜いて、本当の停電みたいにしてみたら、(これまた当たり前ですけど)ちゃんとバッテリーに切り替わってくれました。
超・大成功!
数時間ほど放置してみましたけど、筐体を触っても特に熱くなったように感じられませんし、耐久性に関してはそれほど心配することないかもしれません。(ファンは相変わらず五月蠅いですけど)
気になるのは、バッテリー運転から商用電力運転に切り替わったあと、100W の電力を使ってバッテリー充電される点。
一日の最後に切り替わって、一晩かけて充電し、その充電した電気を次回使うのが翌朝という風ならばいいと思うんですけど、1日の昼間の間に、商用電力→バッテリー→商用電力(+充電)→バッテリー→商用電力(+充電)→バッテリー→商用電力(+充電) ・・・って何度も繰り返す事態は避けたいですねぇ
どうしたものか、ちょっと良い対策がないか考えてみたいと思います。
最終形は ↓ の予定です。
今回の実験では自動切替機を流用しましたけど、UPS 向けにリレーを新しく製作するくらいかな?
いやまて、起動/カットオフのバッテリー電圧も、主たるインバーターとは別の値に設定したい気がするので、充電コントローラがやってるようなのと同じ、バッテリー電圧をヒステリシス的に読み取って ON/OFF 指令する装置も欲しいぞ〜っ
「UPS をインバーターの代わりに使う」という話題は今回で成功裏に一段落ですが
を考えてみたいと思います。
また一案が出来たら紹介させて頂きますね〜
追記(2014/07/01)
残しておいた宿題を消化しました。
本稿の続き 応用編 をどうぞ