セリア USB charger 800mA 壊れかたも豪快

 105円という格安ながら一定の性能を誇る セリアの USB Charger 800mA 仕様を PoE 受電アダプタ やら 可変電源 やらに活用しています。
 定格仕様の範囲で動作させる分には全くもって支障ないのですが、油断すると危険ですねーという話です。


 汎用ガイガー検波ユニット の5号機/6号機を製作中に、PoE 受電アダプタ として繋いで使ってました。
 「あれれ、0cpm から動かねーや」ってのは初回通電時によくあることで、ほとんどはコッククロフト付近の半田不良が多いのですが、今回のはよく分からない。


 あちこちテスター当てて、どこまで動いてるか? を探り当てていくわけですが、そんなとき、セリアDCDCで作ったPoE受電アダプタの中からバチ!って音が。


 中華コンデンサが破裂でもしたのか?とケースを開けて見ますれば・・・

 
http://dl.ftrans.etr.jp/?251a70a3445b48ebbd44f516b563ec352da0c571.jpg


 まさに「オーマイゴー」な事態・・・MC34063 がパックリ割れてるじゃありませんか。
 もう一台の安定化電源(電流計付き1号機)を使って製作中のガイガーに給電させてみたら、2A以上も流れてることが判明。
 この異様な大電流を消費していた原因部品はチンチンに過熱してた 74HCT14 と特定。


 「おいMC34063! 電源ICと銘打つからには過電流保護とか過熱保護とか当たり前についてるべきじゃないのか!?」と データシート 読む限り保護に関する記述が全くないように見受けるので、この手の「売り文句」が書かれていないということは、そーいうのはないと読み解くべきか。
 つまりは過電流(ショートに近い状態)で発熱→破裂という経緯を辿ったのでしょう。
 

 セリアで売られている状態だと入力に 1A のヒューズが入っているのですが、これが唯一の過電流保護だったのですね・・・
(12〜15Vの入力から逆算して 2〜2.5A の出力で溶断するという前提か)


 最も最初に壊れた(最初から壊れてた?)のは 74HCT14 だと思いますが、セリア充電器のほかに、セリア充電器から直接電気をもらってたオペアンプ(LMC662)と、そのオペアンプに繋がっていた mbed の p17/p18 が巻き添えに。
 たぶん(一瞬でも)セリア充電器がショートモード(入力がそのまま出力される状態)になったのでしょう。
 mbed 本体(オペアンプと一緒に昇天したp17/p18以外)は、mbed に載ってたレギュレータのお陰で難を逃れた、と。


 オペアンプは消耗品と割り切れるが、5000円もする mbed は痛い・・・
 かなり痛いけれど、以前に壊した2台の mbed は完全なる全損だったにも関わらず、今回は p17/p18 以外のピンは生きてるので不幸中の幸いと言うべきか。。


(注記)
 販売されているセリア USB 充電器には入力側に保護用のヒューズがついています。
 上の記事の壊れ方は、ヒューズを外して(改造して)使っていたときの話で、適切にヒューズを入れて運用していれば恐らくは防げた災難です。
(破裂に至る前までに先にヒューズが溶断する)


 一般的な電源ICには過電流保護や過熱保護などが備わっており、(過信はよくないものの)ヒューズレスで運用していても破裂に至ることは滅多にないのですが、この MC34063 は見事に破裂するようで、ヒューズやポリスイッチなどを用いて IC の外側で適切に保護しないといけないようです。


追記(2013/10/15)
 過電流で破壊に至った原因は、セリア800mA が MC34063 のデータシートに従わず、入力側のシャント抵抗を 0.15Ω などという低い値のものを使っていたせいである可能性が強まってきました。
 オシロスコープを用いて、いろいろ比較した記事はこちらです。