家庭向け料金値上げ検討 関電10%超、九電10%程度
関西電力と九州電力が、家庭向け電気料金の値上げを検討していることが13日、分かった。関電は値上げ幅を平均10%超で調整、年内にも政府に申請し、来年4月からの実施を目指す。九電は停止中の原発の再稼働が見込めない場合に10%程度の値上げを検討、ことし10月末にも政府に申請する。
値上げは、原発停止に伴い、火力発電の燃料費が増加し収益が悪化しているため。値上げが実施されれば、両社とも1980年以来の家庭向け料金の抜本改定となる。
電力料金を値上げしないといけない原因が、まるで原発停止にあるかの如き酷い話。
電力会社の言ってることを検証すべきメディアは、彼らの払う莫大な広告費を前に口をつぐむしかないのでしょうか?
たしかに原発停止によって収益悪化してる部門もあります。
それは、ずばり 深夜電力 で販売している分です。
24時間にわたって出力調整が全く効かず、需要のない深夜にもフルパワー100%の発電しかできない非効率的な原発を建てまくった結果、深夜は電気が余りまくりことになってしまいました。
揚水発電の揚水で補い切れなくなっても、それでもなお更に「出力調整の効かない非効率的なポンコツ発電所」をバンバン造りたい連中たちは、深夜でも無駄に電気を浪費する機械を普及させる作戦に出ました。
これが巷にあふれる 電気温水器(エコキュート) です。
ご存じのとおり、電気で風呂を沸かすなんてことは、へそで沸かしたほうがマシなくらい効率の悪い湯沸かし方法で、世界広しと言えどもこんな馬鹿げた機械が存在しているのは日本だけ。
当然にして「定価の電気単価」ではガスや灯油との競争で歯が立たない。
もともと効率が悪すぎて世界の誰も見向きもしない湯沸かし方法なんだから当たり前ですが、採算度外視で9円/kWhという超ダンピングを行うことで、ようやくガスや灯油と競争できる状態にしました。
深夜時間帯に9円/kWh台で供給している深夜電力が電力会社の収益悪化の原因
脱原発の進捗率96%に達してる今、深夜だからと言って9円/kWhという捨て値で売るほど電気は余っていないのです。
電気需要の多寡に応じて発電出力を可変できる効率の良い火力や水力が発電の主体になっていくのだから、もともと需要がなかった深夜の発電を抑えればいいものを、莫大な台数を販売してしまったエゴキュート向けに深夜にも相当の給電をしないといけない事態に陥ってしまっています。
9円/kWh では完全に赤字。昼間の爆益で深夜の赤字を埋めてる状態。
深夜電力割引制度を廃止(縮小)すれば電気料金の値上げは回避できる。
騙されてエゴキュート導入してしまった家の方には大変に申し訳ないのですが、そもそも電力会社が深夜電力割引制度を導入した動機からして不純だったのだから仕方ないでしょう。
風呂なんてものはガスや灯油でも沸かせるし、そっちのほうが遙かに便利かつエコかつ衛生的なんだから、貴重な電気を使って湯沸かしなんて止めて下さいよ。
世界を見渡しても電気で風呂を沸かすなんていう致命的にバカなことやってるの日本くらいなんだからさ。
ウラン燃やして湯を沸かして電気おこして、家庭でまた湯を沸かす、って質の悪い冗談だろ、と
この状態で原発動かせってのは「もっと深夜に電気を余らせろ、余った電気を捨て値で買うからさ」と言ってるのと一緒。
(追記)
この手の話題を書くと、電力会社が開示してる時間帯別電力需要のグラフを持ち出してきて、「深夜の需要なんて昼間に比べたら大したことない」って騒ぐ人がいますが、あのグラフは 情弱 疑うことをしないひと向けグラフなんですよ。
電力会社が喜んで開示してるグラフは必ず「年間ピーク日の時間帯別電力需要」です。
年に数日だけある特別な日。
まるで年末年始の年賀状シーズンの葉書の取り扱い枚数統計を出してきて「これだけの郵便局員(社員)が必要です」って言ってるのと同じ次元の話なのだから、「年末年始に合わせて社員を雇ったら普段は仕事ないだろーが、おまえアホ?」って言えば済むのに、肝心のメディアは電力会社のポチに成り下がってますから、ホント始末に負えない。
郵便局が年末年始のために正規職員を雇わずに学生アルバイトを募集するのと一緒で、ピーク日はイレギュラーなのですから、普通に扱う必要ないんです。
手持ち発電所をフル稼働させた上で、ピーク日だけ鉄鋼メーカー等の自家発電できるところから電気を買えばいい話でしょ。
年に数日(十数日)くらいのことだから多少高く買ってもいい。(再生可能エネと一緒で42円で買ってもいい)
特にLNG発電所なんて「今日はフルパワー発電しようか」って言って9時の出勤でスイッチ入れれば昼間のピーク時間には余裕でフルパワーになって、18時の退社時にスイッチ切って帰ればいい、まるでガスコンロのように無駄のない発電ができるんだからさぁ。(天然ガスなのだから仕組みはガスコンロと一緒)
しかも発電単価は水力・石炭に次いで格安。
(高コストな揚水発電を水力に含めて水力単価が水増しされることがありますが、揚水は原子力の区分に入れるべきもの)
普通の春・秋の時間帯別電力需要を調べると分かりますけど、深夜も昼間の 2/3〜3/4 くらいの電力が使われてます。
「昼間の 2/3〜3/4」のうち、何割が深夜電力割引制度の元で消費されている電気か電力会社は開示しようとしませんが、この時間帯に9円で売るのを止めれば、深夜帯の莫大な赤字が解消され、値上げする必要がなくなります。
(天然ガスへのシフトが進めば、昼間単価は値下げすら可能になるはず)
風呂の湯沸かしはガスか灯油を使いましょう。
エコに貢献したい人は、太陽熱温水器をベースにしつつ冬だけガスか灯油で追炊きを。
発電方式 | 実質発電コスト | 出力調整の容易性 | コメント |
水力 (除く揚水) |
◎ | ◎ | 発電量が少ない。増設困難 |
LNG火力 (天然ガス) |
○ | ○ | 今でも割安だが、ロシアと海底パイプラインを繋げば超激安に |
石油火力 | △ | △ | あまりメリットなし |
石炭火力 |
◎ | × | 非常に安価かつ資源量は膨大 |
原発 | × | × | 原発とは「子供の未来」を燃料にした子供発電所だった 「核のゴミ」を「金塊」に粉飾する電力会社 |
(こちらより引用)