太陽光発電で冷蔵庫を稼働させる

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←IN は太陽光パネル側、OUT は負荷(バッテリー)側で、どちらも直流値です。



 パネル5枚(160W×3+170W×2)直列で初の 740W の発電達成!
 直列パネルのうち、もっとも性能が悪い方に合わせられる(直列なので電流値は同じになる)ので実際のところでは公称 820W は出ないことになってますが、それを考慮にいれると 740W という発電量はもの凄い値です。


 太陽光発電のみでエアコンを稼働させられるくらいですもんね。


 で、この電気を何に使うか。
 無人の昼間にもコンスタントに電気を消費し続けるもの・・・と家の中を見渡せば冷蔵庫(450Lクラス)くらいしか思い浮かばないので、太陽光発電で作った電気を冷蔵庫に使ってみることにします。


 冷蔵庫ですから、電気が止まると大変なことになります。
 以前に作った回路 を通すことで、バッテリーの電気が尽きたら自動的に商用電力へ切り替える、ということは可能なのですが、試しに一晩やってみたら、翌朝にはインバータが給電を停止してしまってました。


 インバータの中にバッテリーが過放電(寿命が縮む)にならないようする保護回路が入ってはいるのですが、世翌朝には 42V(鉛畜バッテリー1個あたり10.5V)を下回ってしまい、保護回路が働き動作を停止してしまうのです。


 インバータに備わっている保護回路なんてものは、最後の砦、くらいに使うべきであって、毎晩毎晩バッテリーを保護回路が働く 42V(10.5V×4) まで放電常用する、というのはさすがにヘビーな使用を想定されているディープサイクルバッテリーと言えども寿命に影響してしまいます。


 幸いに、充電制御に使用している充電コントローラに、設定次第で色んな目的に使用できる AUX 信号端子なるものが備わっており、バッテリー電圧が正常値のときには ON(12V)、異常値のときには OFF という設定も出来るようなので、こちらの機能を利用することにします。
 もちろん正常/異常の閾値とする電圧も自由に設定可能です。
 遮断電圧を46.0V、回復電圧を54.0V くらいにしてみることにします。


 てなわけで、充電コントローラの指示に従って作動する切り替え機を工作します。


作品② 商用電力自動切替機(外部制御付)


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 前回の回路 の前段に、12V で 100V の ON/OFF が出来るリレーを挿入してみました。
 充電コントローラの AUX 信号が ON、なおかつ、インバータが給電しているときにのみ、インバータの電源を使用し、それ以外のときには商用電力を使用する、というものです。


 AUX 信号が ON でインバータが停止中、ってことが起きない前提であれば 12V リレー1個で済むのですが、モノが冷蔵庫だけあって、念には念を入れないといけません。
 リレーの消費電力が少々無駄ではありますが、今回は保険という位置づけで2段にしました。


 かまぼこ板に部品類を固定して出来上がりです。
 かなりやっつけ仕事のような出来映えですが、まー、外観よりも中身で勝負、ってことで。


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追記
 1段目のリレーに 942H-2C-12DS などという、2段目リレー駆動の目的としてはオーバースペックすぎるものを使っていることに疑問を抱かれる方がおられるかもしれません。
 当初は 12V リレー1個で 100V の冷蔵庫を直接ドライブしようと企んでコレを選択したためです。
 このように2段構成にするのであれば SSR のような省電力のもので代用した方が良く、5A などという容量のものはハッキリ言って無駄です。(新しく買うのもアレなので流用して使ってますが)


 2段目のリレーは直接負荷がかかるので、それに見合った容量が必要です。
(前回からの流用品である LY2AC100V は 10A(≒1000W) のドライブ能力がある)
 

追記2
 未来舎の FI-S1503A のような、インバータにリモート制御端子があるものを使うと、AUX 端子と繋いでインバータの作動自体をコントロールすることが出来ますので、待機電力の無駄遣いをもなくすことが出来ますのでお勧めです。
 私は当時ここまで考えが及ばず、リモートコントロールが出来ないインバータを買ってしまいました。
(分解してインバータの ON/OFF スイッチあたりの配線を横取りしちゃえば出来そうではありますが)


追記(2014/06/03)
 上の回路は、インバーターが少しでもヘタってきて、切り替わりの瞬間に電圧降下がし始めるようになると、リレーの接断が連続して発生し、さらに加速度的にインバーターにダメージを与える、ということが起きます。
 インバーターに優しい方式に改良しましたので、これから作られる方は こちら をどうぞ。