黒電話 on RT58i (続)

 この記事は 前の日の記事(購入と配線接続) の続きです。


 ダイヤルの真ん中の札もパソコンで作って(丸く切るのはハサミですが)、いちおう外観的には完成しました。
 ここには自分の電話番号を書き入れるのが大正時代からの習わしです。
 世の中は平成の時代になりましたが、慣習には従いましょう。


http://dl.ftrans.etr.jp/?a56f5cb436d649a0bec94e86eff1b40ce64be2dc.jpg


 この RT58i、電話回線契約がトーン・パルスのどちらであろうと、電話機はどちらのタイプのものでも使える優れもの。
 つまり回線契約がトーン(ピポパ)であろうが、黒電話が使えるのです。
(RT58i がパルス→トーンの変換をしてくれる)
 トーンな電話機しか繋げれない光でんわのアダプタでも RT58i を途中に挟むことで黒電話が使えるようになります。


 私の場合は RT58i の TEL2 に黒電話を繋ぎました。
 

 RT58i の設定画面もしくは Telnet から TEL2 の発着信を許可にしたり、非通知着信を拒否したり、過去に掛かってきた営業電話の番号もことごとく拒否リストに突っ込んで・・・と TEL1 と同じように設定を施してあげます。
 黒電話にナンバーディスプレイはないので契約していたとしても TEL2 側では OFF にしておきましょう。


 さて、ここからが RT58i の真骨頂に迫る話になりますが、黒電話を改めて使い始めると感じるのがダイヤル時間。
 特にケータイなんか 090 とかで始まる番号はダイヤル数字の配列順序を見れば分かるとおり、その3桁まで回すだけでも5秒くらいかかります。
 あとの番号は電話番号にもよりますが、10〜11桁全部回すのに10秒を軽く超えるでしょう。
 これに「安くなるダイヤル」0039を付加しようものなら15桁ものダイヤルを回す羽目に陥ります。
 短縮に慣れてしまった指には相当つらいと思います。


 そこで


 よく掛ける番号が数パターンしかないって場合には、「電話番号経路テーブルの設定」という機能が大活躍します。
 こちら、元々は掛ける電話番号によって、050発信にさせたり固定回線にさせたり、080/090へ掛けるときは固定電話を選択して0039(東日本なら0036)を勝手に頭に付けたり〜ということが出来るように設定する機能なのですが、ダイヤル時間がかかる黒電話のために短縮電話番号機能として利用してみましょう。


 「0001」をダイヤルすると、安くなるダイヤル「0039」を付けた上で「090xxxxxxxx」に掛ける場合
 analog call route n 0001 0039090xxxxxxxx line


 sip:1 に 050 番号を登録してて、そちら優先で掛ける場合
 analog call route n 0001 090xxxxxxxx server=1 0039090xxxxxxxx line


 こんな風に、0001〜0009 あたりに、よく使う番号を登録しておくと黒電話で短縮ダイヤルぽいことが可能になります。


 しかし人間というものは実に欲深い動物でして、実際に 0001 を掛けていると「0」を3回も回す時間が長すぎる!!と言い出すものです。「そんなの簡単じゃ♪」と言って
 analog call route n 01 090xxxxxxxx line


てな具合で「01」で掛かるように変更してしまった場合・・・
 「01」で始まるすべての番号・・・北海道や0120のフリーダイヤルに掛けようとダイヤルしたら、全部 090xxxxxxxx に掛かってしまいます。
 電話局(今は総務省か?)がやってるように、きちんと電話番号の計画を立てて考えないといけません。


 お住まいの地域の市内局番(2〜9で始まる番号)で使ってない頭の番号があれば、それを短縮番号の先頭番号に使ってもいいでしょう。
 例えば東京03区域のように 2・7〜9 で始まる番号がない地域でしたら、極めて頻繁に掛ける相手を7〜9の一桁短縮にして〜ってことも出来ますね


 「7」なら「090xxxxxxxx」に「8」なら「090yyyyyyyy」、って場合
 analog call route n 7 090xxxxxxxx line
 analog call route n 8 090yyyyyyyy line


と究極の1桁ダイヤルの短縮番号が簡単にできます。
 名古屋あたりの中途半端な大都市は2〜9まで全部使われているので、使われていない市内局番の隙間を狙うか、1XY の特番領域に侵略かけるか、0 を一杯回すか、で選ばざるを得ません。
 「000」で始まる番号を私が例に出したのは、既存の番号にぶつからないであろう、番号だからです。


 あとはみなさまのお住まいのところで、未使用の先頭番号を見つけて、使いやすい短縮番号を作ってくださいね


RT58iとセットで出来るまとめ
○ 黒電話なのにトーン契約の回線で使える
○ 黒電話なのに非通知着信拒否が出来る(別に番号通知サービスの申し込み)
○ 黒電話なのに迷惑電話着信拒否が出来る( 同 )
○ 黒電話なのに短縮ダイヤルが出来る
× 黒電話だから留守番電話はない
× 黒電話だから掛けてきた人の番号は見えない(RT58iのログには落ちてるのでPCからは見れる)
× 黒電話だから*や#はダイヤルできない


追記(2010/12/14)
ケータイを黒電話で使おうと GE 21518EC1 衝動買いしました


 ちなみに、後継の NVR500 でも同様のこと出来ると思います。
 我が家の運用としては、普通のコードレス電話を繋げた TEL1 は識別着信拒否(ブラックリスト方式)、黒電話を繋げた TEL2 は識別着信許可(ホワイトリスト方式)として、それぞれ使ってます。
 「黒電話が鳴ったら知ってる人からの電話、鳴らなかったら知らない人の電話」という使い方してます。


追記(2016/05/01)
 ちょっとした電気工作は必要ですが、ヤマハルーターから家電の ON/OFF をコントロールすることに成功しました。
 我が家ではADSLモデム のスケジュール自動再起動に用いてますが、いろんな家電(パソコンを含む)のリモート ON/OFF に応用できそうです。
 詳しくは ヤマハルーターで電化製品を ON/OFF する(前編)をどうぞ


追記(2017/07/10)
 ひかり電話の配下に RT58i(や NVR500) を設置する場合には、以下のコマンドを追加で入れておかないと着信できないようです。

pstn ringing signal frequency 10 40