事業仕分け自体が無駄だ

 既報のとおり、役所の事業に無駄がないかを調査する事業仕分けが行われている。
 建前としては「事業の無駄を探す」とのことだが、ぶっちゃけ言えば、無駄のない事業なんて皆無だから、真剣にやるならば全部中止にするしかない。
 とはいえ、そんなことは出来ないので、どこかで折り合いを付けて「これだけ無駄を探しました」宣言をするのだけと思うけれど、事業仕分け自体が無駄だ。


 歳出が増加の一途を辿る原因のひとつに、「仕事を作ることが仕事になっている」面があるからだと思う。


 仕事を作ることが仕事になっている とは、これまた乱暴な言葉であるが、役所の中の人が自発的に仕事を増やしている面もあるが、住民が増やしている面の方が多いのではなかろうか。
 単なる住民と言うよりも、クレーマーと言った方がいいようなタイプが多く、またそういうクレーマー住民の活動を援護しているのはテレビ・新聞と言ったマスゴミだ。

 
 かなり前に 登山道の管理責任 という記事を書いた。
 遊歩道にて落下木に当たり重傷になった人に1億9300万賠償、という判決が下った件だ。


 この手の行政裁判における「住民勝訴」の判決は実に多数あるが、こんな理不尽な判決の結果、賠償金2億は税金をもって支払われることになった。
 また、この手の事件を繰り返さないために、遊歩道は更に多額の税金をかけて(過剰に)整備する必要に迫られるので、この判決によって増えた歳出は賠償金の2億では済まないだろう。
 全国津々浦々で、この手の事件を繰り返さないために以前よりも多くの税金が必要になる。


 道路だって、ちょっとした陥没が出来て、その発見が遅れて、通行車が陥没にはまって事故が起きたとき、道路管理責任を盾にして役所に対して損害賠償請求するドライバーが実に多い。(第3者が賠償請求を指南するケースも多い)
 その賠償金の出所は税金だし、役所としてはこの手の事件を繰り返さないために税金を更にかけて道路パトロールを強化し、ほんの少し傷み始めたら(陥没などが起きる遥か前に)道路の舗装をしなおす習慣になっているわけだ。


 諸外国の意識でみたら、遊歩道の件ならば「運が悪かったね」で解決だし、道路の件ならば「避けない運転手が悪い」で誰も問題視しない。
 ましてや、それで被害者が損害賠償請求などしようものなら「みんなの税金を盗む気か?」でバッシングに遭う。
 まともな財政運営をしている国民の常識は、こんな風である。


 日本ではどちらの事件も「役所の怠慢の結果おきた悲劇」と恣意的な報道したがる。
 母子加算に喜ぶ携帯代25000円の家庭 のような馬鹿げた親に対しても、マスゴミが可哀想な家庭としてが取り上げるから、国民の常識がどんどん狂っていく。


 無駄遣いや汚職と言った類のものは、どこの国でもあるわけで、日本だけが取り立てて多いわけじゃないはずなのに、日本が 世界一の借金大国 になった理由としては、(他の先進国と比較して)大して税金を納めていないのに、役所に対して過大すぎる要求を平気で出す、国民の側にこそ問題があるのではなかろうか。


 そういう風に、国民の潜在意識を誤った方向へ煽動しているのが古今のマスゴミの活動姿勢である感じるし、「そこまでして日本を壊したいの?」と行政裁判で理不尽な判決を下す裁判官に問い詰めたいところだ。


 40兆円に満たない歳入で、90兆円を超える予算を編成して、「事業仕分けで無駄探し」なんて、そんな悠長なことやってる場合じゃない。
 「役所がやるべき仕事はいったい何か?」をゼロから列挙していくことこそが、本来やるべき「仕分け」だと思う。