パケ死で裁判

パケット代は予想外に高額と提訴 ソフトバンク相手に、札幌地裁

 携帯電話の契約時にパケット通信料の十分な説明がなく、予想外の高額請求をされたとして、北海道の顧客2人が3日、ソフトバンクモバイルに計約170万円の債務不存在の確認を求める訴訟を札幌地裁に起こした。

(中略)

 2人の代理人弁護士で、携帯電話被害対策弁護団事務局長の猪野亨弁護士は同日会見し「定額料金の100倍以上になるような請求は常識的におかしく、企業の社会的責任が問われる」と述べた。


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 再三、個人的にパケ死商法の違法性を訴えてきた わけだけど、「定額料金の100倍以上になるような請求は常識的におかしく、企業の社会的責任が問われる」と違法の根拠をハッキリと示した裁判が起こされた。


 「1980円で食べ放題」と銘打った店が「食べ放題コース」と「食べた分だけ精算」という2つのコースを用意していて、同じものを食わせておきながら後者で入店した人には法外な飲食費(数十万円)を請求する、そんな商法だ。


 パケ死商法の飲食店版たる「食べた分だけ精算」のメニュー表には「ご飯コメ1粒あたり1円」「レタスは10g100円、コーンは1粒5円・・・」という言う感じに材料単価が記載されていて、ご飯茶碗に1杯だと概ね○○円、サラダは○○○円くらいになります、という「計算例」が載っているという・・・
 これから食べようとしている八宝菜が幾らになるのかは、ぱっと見た目では分からない。


 食べたあと(早くて数日後に)で「○○を○○○g、△△△を△△g・・・でしたから締めて×××円でしたよ」ということが、iモードサイトで調べると分かる、という寸法だ。


 もちろん、こんな商法がまかり通る「食べ放題屋」は存在しない。
 普通に考えて、有り得ないからだ。


 食べ放題の店に「食べた分だけ精算」(食べ放題じゃないコース)を用意するところはある。
 それとて、腹一杯に食べたときに、食べ放題コースよりも若干高くなる(2倍くらいまでか?)くらいの値段設定が普通だろう。


 料金メニューに意図的な落とし穴を作っておき、不注意で穴に落ちた人から「気をつけない方が悪い」と言っては大金をせしめる・・・
 それがパケ死商法だ。
 中には「食べ放題コースを選ばないこと自体が馬鹿だ」という人もいるだろうが、仮に有料道路に併走する一般道(無料)に、あちこち穴を開けられて、「穴に落ちないよう走る自信がない人は有料道路を利用しろ」と言われて「はい、分かりました」と答えるのか?と問い詰めたいところだ。


 パケホーダイが安いんじゃなくて、非パケホーダイが暴利の固まり なのだ。
 「本来はパケット代50万円のところ4200円で済んだ」と頭の弱いユーザーは喜ぶわけだが、「本来はパケット代50万円」の箇所が実は間違えている。
 元々4200円でも利益が出ている商品をユーザーが4200円で買っただけの話 なのだ。
 その同じ商品を、事前契約が無いという理由だけで、50万円で売りつけようとする側が狂ってる。


 最近ドコモがPCで繋いでも請求代金が青天井にならないパケホーダイ・ダブルなるものを発表した。
 大きな前進だと思われるが、「パケホーダイ・ダブルを契約せずにiモードを利用する」という落とし穴は塞がれていない。
 今回のソフトバンクへの訴訟を真摯に受け止めるのであれば、iモード契約にパケホーダイ・ダブル相当のものを自動付帯するべきだ。
 つまり、月額ゼロ円からの、パケホーダイ(天井付)プランが必要だ。


 もちろん、そのときはパケホーダイダブルと比べて天井額が少し上がっても仕方なかろう。
 だけど上がったとしても、パケホーダイ・ダブルの3倍まで。
 一定額に達したらパケット通信を遮断してもいい。
 もちろん、今のリミットプランのような「遮断まで数時間かかり、その間の通信費は客へ請求」という落とし穴はナシだ。


 ちなみに、この報道はなぜか、地方紙 にしか出ていない。
 パケ死商法で得た収益金の行き先が分かるネタだ。