汎用ガイガー検波ユニット 組立て説明

 GM管むけ高電圧生成と、アノード検知をモジュール化したボードです。
 ただいまワケアリ初期ロットを 無償頒布してます

DIP版(コッククロフト最終段のコンデンサのみSOP) SOP版(抵抗やコンデンサなどリード部品もあり)
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外部インターフェース


 外部とのインターフェースは僅か4ピンのみとなってます。

ピン番号 ピン名称 モジュール側からみた入出力
1 VCC 入力 4.5〜5.0V
(電圧が高いと低温耐性が上がるが高温耐性が下がる)
2 VREF 入力 アノード電圧の1/501
380V:0.76V
400V:0.8V
900V:1.8V
3 SIGNAL 出力 放射線検知ごとに正論理の方形波を出力
4 GND


 VREFピンはモジュール内部で 10kΩ で GND にプルダウンしています。


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 mbed 互換機として使う場合など D/A コントローラでアノード電圧を指定するときはジャンパー、D/A を使わずに固定で使うときは下記の抵抗値を経由して 3.3V に接続することでアノード電圧を指定できます。
 D/Aコンバータを壊してしまった mbed でも後者の方法で再利用できます。(私は2個ほど壊しました)

希望するアノード電圧 R1 VREFの接続先
Mark2互換機で使う場合 0Ω(ジャンパー) mbed p18
900V 8.2kΩ 3.3V
400V 30kΩ 3.3V
380V 33kΩ 3.3V

 Mark2互換機で使うときは、ファームウェア側で、ゆっくり昇圧する制御がソフト的に働きますが、固定抵抗で決め打ちするときは、急激な昇圧に回路が追いつかずうまく昇圧できない可能性があります。
 中央 R1 の近傍にある 0.1μF に 470μF くらいパラるか交換すると、数秒〜十数秒かけてゆっくり確実に昇圧します。


 あとは SIGNAL ピンから出力される正論理の方形波をカウントするだけで手軽にガイガーカウンターを作ることが出来ます。


部品集め


 以下の部品を使用する前提で設計しています。

種類 規格 数量 参考価格 備考
抵抗 100MΩ 2本 @105円 本当は ±1%品 がいい
  10MΩ 3本 100本で105円
  1MΩ 2本 100本で100円
  200kΩ 2本 100本で100円 本当は ±1%品 がいい
  100kΩ 1本 100本で100円
  10kΩ 2本 100本で100円
  100Ω 1本 100本で100円
コンデンサ 0.1μF 19本 10本で420円 耐圧100V
  0.1μF 0.022μF 2個 50個で2500円 耐圧1000V
  0.1μF 4個 10個で100円
  1000pF 1個 10個で100円
  100pF 1個 10個で100円
  5pF 1個 安いとこ探し中 耐圧1000V、カップリング 1〜10pF 程度
  1pF 1個 10円くらい
ダイオード 1N4148 20本 50本で100円
発光ダイオード 任意 1個 10個で100円
コイル 100μH 1個 @30円
MOSFET 2SK4020 等 1個 @53円 VDS100V超
IC 74HCT14 1個 @84円
  LMC662 1個 @80円 フルスイング品
端子 ピンヘッダ 4ピン 40ピンで40円 メスがいい人はピンソケット
  ヒューズホルダー 1組 1組で52円


組み立て説明


 初版はシルク印字の指示に失敗して部品の規格が基板に印字されていませんので、以下の図を印刷して組立て下さい。
 この図はクリックすると更に大きく見えます。(600dpiなので印刷に耐えうる画像です)

 上部、コンデンサダイオードが並んでいる部分がコッククロフト回路です。
 コンデンサは 0.1μF、ダイオードは 1N4148 などを使います。(ともに耐圧100V)


 コッククロフトの右側、2SK4020 と薄く刻印してますが、2SK2962 でも耐圧ギリギリ(ややオーバー?)ですが辛うじて使えます。2SK2962 の場合は、2SK4020 と G-D-S の配列が反対なので、向きに注意してください。
(2SK2962 では部品の刻印がコッククロフトの側を向くようにします)


 コッククロフト回路の左側、0.1μF と書かれた SOP 向けスペースですが、2220 サイズで設計したかったところ 1210 にしてしまったため、サイズ面で 0.1μF は使えません。
 今回の版では 0.022μF/1kV などで代用して下さい。


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 R1 と書かれた箇所に先に書いた、アノード電圧に応じた抵抗をセットすることができます。


 mbed と組み合わせて Mark2 互換機 として同ファームウェアを利用する場合は、mbed 上の D/A コンバータでアノード電圧の基準電源を生成するので、R1 の部分はジャンパー(適当なリード線でショート)させて下さい。


 抵抗値でアノード電圧を指定するときは適切な抵抗を R1 に接続するとともに、VREF に 3.3V を供給します。
 VREF が変動するとGM管のアノード電圧も変動しますので、安定した電源を用いて下さい。


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コッククロフトのコンデンサは強引に配置(笑)。
管は J209。右下インダクタは 破壊したセリアDCDC からの摘出品。オペアンプMCP6002-I/Pという割安品



500V 以上のアノード電圧を使用しないとき


 J209 などアノード電圧 900V 管を使う予定がなく、SBM-20(380V) や J408(400V) などで使う前提のときは、最大アノード電圧 500V にすることで耐圧要件が大幅に緩和され、安い部品に置き換えが可能になります。


変更可能な部品

部位 種類 最大1000V時 数量 最大500V時 数量 最大500V時の参考価格
コッククロフト MOSFET 2SK4020
(2SK2962)
1個 2SK2962
(2SK2961)
1個 @53円
  コンデンサ 0.1μF/100V 19個 0.1μF/50V 19個 10個で100円
  抵抗 100MΩ 2本 100MΩ 1本
  抵抗 10MΩ 2本 10〜22MΩ 1本
  抵抗 1MΩ 2本 1〜2MΩ 1本
  抵抗 200kΩ 2本 200kΩ 1本
カップリング コンデンサ 数pF/1kV 1個 数pF/500V 1個 1pF/500V @52円


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 抵抗は置き方も違いますので写真をよく見て下さい。
(2本で分圧していた箇所を1本そのままに置き換えてます)


SOP版


 DIP 版とほぼ同等機能をもった SOP版 のほうもシルクが吹っ飛んでます。
 以下の部品配置表を参考にして下さい。


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DIP品との部品の違い

部位 型番 数量 仕様
コッククロフトのダイオード PMBD7000 10粒 耐圧100V、SOT23
IC 74HCT14 1個 SOP14
  LMC662 1個 SOP8