ESP8266 リモートコンセントの製作(ハード編)

 国内で合法的に遊べるワンコインWiFi内蔵マイコン、ESP8266 にはすっかり取り憑かれてしまいました。
 前回は ガイガーカウンターにも転用できるパルスカウンター を作ってみましたが、ガイガーのほうも進めたいとは思うものの、まずは日常的に使って便利なものを先に・・・と思った次第。。。


 我が家の暖房は灯油なのでちょっと縁がありませんが、都市部を中心にオイルヒーターとか電気ストーブとか使われているところも多いかと思います。
 家に着いてすぐにスイッチを入れても部屋が暖まるまで時間もかかり、しばらくはブルブル震えて待ってる人が殆どだと思いますが、会社を出るとき、最寄り駅に着いたとき、携帯やスマホから「ストーブON!」って出来たら便利じゃないですか。


 また、「あ、ストーブ切り忘れてきたかも!」って心配なときでも、慌てて家に戻ることなく駅から「スイッチOFF!」できたら、これまた便利です。


 そんな、「外出先から電源をON/OFFできるリモートコンセント」を作ってみたいと思います。

 
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 独立型太陽光発電むけ自動切替機 もトランスレス電源で、ずっと調子よく稼働しているので今回も懲りずに。
 露出ボックス一口用 に納めたかったので、実装サイズを優先するとどうしてもトランスレスにならざるを得ません。。。


 回路図の中にも注記しましたが、GND と描かれているラインも 1/2 の確率で触ると感電しますので注意するとともに、サイズを重視しないならば、5V(200円で売られてるUSB電源など)でもいいのでトランスあり電源にしたほうがいいでしょう。
※ 5V USB電源を使うときは、5Vで動くリレーに変更し、かつ ESP8266 向け電源生成の付近を DCDC でなく三端子に置き換えて下さい。電圧差 1.7V で動く DCDC を探す方が面倒なので。


 太陽光発電の切替機のときと一緒に、なんで 5V を作らないで 24V にしてるのか疑問に思われるかもしれませんが、結論だけ書くとトランスレス電源で大電流は取れないんです。
 20Aの負荷を扱える5VリレーON 時に 185mA も消費 するんです。
 ESP8266 の消費分を無視したとしても、トランスレス電源では逆立ちしないと不可能です。


 これが 24Vリレー だったら 36mA で済むんですよね。
 とりあえずリレー制御用と称して 24V 用意しておけば、ESP8266 向けにも 24V→3.3V と簡単に 降圧DCDC できますから都合がいいのです。


 トランスレス電源の初段は、2.2μF+47Ω の CR直列回路なので、この付近のインピーダンスは 60Hz 環境で約1200Ω、50Hz 環境で 1450Ω ほどと求まります。
 後段のツェナーダイオードの作用により CR の両端が 100V-25V = 75V 付近で均衡することになるので、60Hz 時で 63mA、50Hz 時で 52mA と求まり、これが最大出力電流であり、ツェナーダイオードに流れうる最大損失電流にもなります。
(実際にはブリッジダイオードのVFや電圧変動がありますが、目安というニュアンスで)


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 手持ち部品の関係で 6.2Vツェナー×4直列 で 25V(実測で26V) を作りましたが、無負荷時損失を略式で計算すると1本あたり 6.2V×63mA(@60Hz)≒0.4W くらいと見込む必要があり、私のような 500mW 品ではギリギリです。
 稼働し始めれば無負荷は想定しなくて良くなるのでツェナーの負担は 0.4W より少なくなりますが、4.7V×5 or 5.1V×5 にして、ツェナーの負担を減らす工夫をしたほうが安心ですね。


 25V→3.3V の降圧には、ミーツダイソー で扱い始めた新しいタイプの USB充電器 を流用することにしました。
 回路図のとおり、R1・56kΩ に 68kΩ をパラったら、実測 3.2V になったので、それを ESP8266 に投入しています。


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 今回の ESP8266 は秋月の基板つきを選択。
 デフォで配置すべき抵抗など は秋月基板上で予め実装させておき、18ピンICソケット を介して、ペットボトル基板 へ。


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 ペットボトルキャップを絶縁材に使いつつ、露出型コンセントボックスの中に仕舞い込んで完成♪
 色違いはアクセントです。


 次回はソフト編を続きとしたて書こうと思います。