GT-730FL/S 衝動買い

 何気に秋月電子(秋葉原にある老舗電子部品屋)のホームページを眺めていたら、GPSロガー(軌跡を収集する)が 4000円で売られている のを発見。
 宣伝文句通りに 65ch・-160dBm だとしたら、手持ちのソニーGPSロガー GPS-CS1K より優秀である可能性が高い。
 CS1K と違い単3稼働でない点はマイナスだけれど、12時間もつバッテリーを内蔵して 4000円 とは破格値である。


http://dl.ftrans.etr.jp/?2619c4e550e3497ba60c06c9fe15c07dadf2c12c.jpg
 もはやポチらない理由はあるまい。
 水曜の朝に注文したもの翌日の今日に到着。


 大きさ自体は CS1K を薄くした感じか。
 あの納まりの悪い円筒形デザインに比べたら実に素晴らしい。


 日本語マニュアルどころか英語のそれすら同梱されていないプロフェッショナル仕様なので、簡単に使い方を書くことにする。


 予めパソコンのUSBなどに刺して充電しておき、測位し始める際には横にあるスライドスイッチを ON にするだけ。
 これだけでログが取れる。
 溜まったログはパソコンに取り込んで地図に軌跡を書かせるなり写真にジオタグを書き込むなり使うわけだけれど、この機種、パソコン接続がなかなか手強い。
 ちなみに CS1K の場合はリムーバムメディアとして認識され、エクスプローラで軌跡ファイルをコヒペできた。


 まずは付属 CD の Driver フォルダを覗いて・・・と書きたいところだが、どうも CD に添付されているドライバは1年以上前のもの(98/2000/XPは2006年、Vista版は2008年)らしく、最新のパソコンにインストールするには不安が残る。
 最終的には PL-2303 という RS232C-USB変換チップを Windows に対して認識させるためのドライバインストールであるため、最初から PL-2303 の本家ドライバ を入れた方が良いと思われる。


 64ビットWindowsWindows 7x86/x64) にも公式対応しているので、CD に入っているドライバは無視して、本家ドライバをインストールしましょう。


 ドライバが無事にインストールできたら、GT-730FL/S を刺してみよう。
 パソコンがデバイスを正しく認識するはずだ。
(ただし GT-730FL/S とは認識せずに、手前の変換チップ PL-2303 として認識される)


http://dl.ftrans.etr.jp/?e76129b75cde40ab9f8af8b03fba966cde7e08df.png http://dl.ftrans.etr.jp/?08c804623ed4446daac1a05014d11ed4915b19e1.png
↑の2枚の画像はクリックすると鮮明に見えます


 次に、デバイスマネージャを立ち上げる。(コンピュータを右クリしてプロパティ、その中から辿り着ける)
 ポートの中に「Prolific USB-to-Serial Comm Port」というものがあるはずなので、右側の (COMx) の数字を覚えておくとともに、ダブルクリックしてプロパティウィンドウを開く。
 「ビット/秒」の項目が最初は恐らく「9600」になっているので「38400」に変更する。
 「フロー制御」も「なし」になってるが、「ハードウェア」にしておいた方が(一般的には)いいはず。

(この操作は不要でした。ここの値に関わらず取込みソフト側で通信設定が行われる模様です)


 これで 「GT-730FL/S がパソコンに繋がった」状態になるので、引き続き軌跡を読み込むためのソフトをインストールする。
 CD には「PhotoTrackr」というものと「SportTracks」と2種類が同梱されているが、ロガーとして使う分には「PhotoTrackr」の方だけインストールしておけばいい。
 PhotoTrackr の中は日本語表示になっているので、後は何とかなるだろう。
 ちなみに、先ほど「覚えておく」と書いた COM 番号は、PhotoTrackr の中で GT-730FL/S のログを吸い上げる際に指定する番号となる。


 差し込む USB ポートによって COM 番号が変わるので同じポートを使い続けるようにするか、正常に接続できない場合にはデバイスマネージャから割り当てられた COM 番号を再確認する必要がある。(Windowsの仕様)
 割り当てられた COM 番号を好きな番号に強制変更することも出来るので詳しい方は試されると良いだろう。


 ここまで手順通りやって何も問題がないのに、PhotoTrackr から GT-730FL/S に繋がらない!という場合、ログ取りで ON にするスライドスイッチを ON にしてあげよう。
 スライドスイッチが OFF であっても、パソコンに差し込むと「Prolific USB-to-Serial Comm Port」というポートが増えたり等々パソコンから認識されたような動きになるんたけれど、スライドスイッチが OFF のままだと、PhotoTrackr からは繋がらないらしい。
 「ログをパソコンに吸い上げさせるときにはスライドスイッチをONに」これに気がつかず、自分も随分と時間を浪費してしまった。。。


 PhotoTrackr でログを吸わせると標準で Google Map 上に軌跡を表示する。
 ログは NMEA 形式などでもエクスポートできるので、カシミール へ持って行くことも出来た。
 車に乗せて試した限りでは、CS1K よりは遙かに良好な軌跡を吐いてくれていたので、山の中でも期待が持てそう。


 以下、山で使う人へ・・・
 ログが記録できる時間は公称12時間となっている。
 内蔵電池の容量による制約だが、電池交換ができないため、縦走などでは何らかの手段で途中充電する必要がある。
 充電のためにパソコンを持って行くなんてアリエナイので、USB で給電できるものも揃えておこう。


 同じく秋月で買うのであれば 電池ボックス 単3×4本 USBコネクタ付(250円) あたり。
 単3電池4本で GPS を充電する、っのは些か無駄な気がしなくもないが、4時間で充電できるそうなので、15時テント場に着いて充電開始すれば19時頃完了、充電に用いた単3電池はヘッデンへ、という運用ができるので、工夫次第で無駄にはなるまい。
 少し値段は上がるけれども昇圧回路の入った単3×2 で USB 給電できるものも他所で(アマゾンとかで)売っているので、軽量化重視の人は参考にされると良いだろう。


 ちなみに自分は My Battery Expert なる巨体を標準山行装備品として採用してる。
 ケータイへの充電・デジカメの予備電池・時として星座同定用PSPへ給電、と山の中で電気で困ることはない(笑)


追記
 ログの保存先がデフォルトでインストール先の Program Files 〜 以下になっている。
 これだと UAC に引っかかって、Vista / Windows 7 では上手く動かないかもしれない。
 PhotoTrackr の中の設定画面から、保存先を変更できるので、マイドキュメントあたりに移動しておいた方がいいと思う。


追記(2009/11/08)
 GT-730FL/S と GPS-CS1K との測位比較の記事を書きました。
 GT-730FL/S の測位経緯度はかなり正確ですが、高度が変ぽいです。


追記(2010/04/28)
 Bluetooth な M-241 も買ってしまいました


追記(2010/11/29)
 電子コンパスの付いた GP-101 も買ってしまいました
 GP-101 に付属するソフト PhotoTagger で GT-730FL/S の取込みも行えました。
 正しい「楕円高」を取得できます。(標高≒楕円高-40m)


追記(2011/02/24)
 GT-730FL/S 対 GP-101 対 M-241 と3機種で軌跡比較をさせてみました。


追記(2012/05/05)
 GT-723F(若松ネットガイガー)を追加して、再度、測り比べてみました