直流 19V 仕様の超シンプル UPS です。

 ほとんど自分用の備忘録だけど、新・工作机PC の直流 UPS の付近、構成を残しておく。
 マシンは J3160DC-ITX に起動用 SSD 1台に加えて、SATA な 8TB HDD ×3台を RAID-5 にして 16GB 相当。
 J3160DC-ITX は 19V の単一電源で動作する。(picoPSU の場合でも同じようなもんだと思う)


 大元の電源は SONY の銘板のついた 19.5V-6.3A で、いわゆる 120W クラスの ACアダプタ。
 これ1台で、3台の HDD を含めて全ての電力を賄っている。


http://dl.ftrans.etr.jp/?c96f4737bb4843d9a25c9a88c3921da24f1a20b5.png


 以前に作った 5V版12V版 と比較すると思いきり手を抜いているのがバレてしまう(笑)
 19V ともなれば、VF の 0.5V なんて十分に誤差だから、ゴチャゴチャやるよりシンプルにしたほうがいいと思うの。


部品表

ACアダプタ 19.5V 6.3A 540円(ハードオフ) たぶん PS3
ショットキーダイオード SBM1045VSS 40円 OR 給電用
ショットキーダイオード 1S3 20円 停電時の逆流防止。SBM1045VSS に代替可
鉛蓄電池 12V20AH 5500円 容量はお好きに
降圧モジュール(CVCC) 約150円 鉛蓄電池に見合った電流に制限すること
昇圧モジュール 約250円 逆流対策で非同期のほうが安心
降圧モジュール 約300円×2 HDD向け5V/12Vの生成


 軽く回路の説明をすると、アダプタからの 19.5V は SBM1045VSS を介して、概ね 19V くらいで電源を供給している。
 その回路と並行に、電流制限ありの降圧モジュールを用いて鉛蓄電池にフロート充電。


 定常時も出力 18V 設定な昇圧モジュールを稼働させておくが、SBM1045VSS の出口のほうが電圧が高い状態が続くうちはデューティ比0%となり昇圧動作は止まった状態。


 非同期のほうが安心と書いたのは、(たぶん起きないはずだけど)同期式だったとき何らかの事情でハイ側が導通状態をキープしてしまったら、もれなくバッテリーに 19V が印加され続けてヤバいことになるため。
 非同期(ダイオード式)だったら、「FET のゲート処理が腐って逆流」は起きないからね。


 んで、いざ停電勃発となると、18V を維持するように昇圧動作が発動。
 このとき、前段の充電回路は 入力電圧<出力電圧 という状態に陥るが、Pch MOSFET でスイッチングしているモジュールを選択すれば寄生ダイオードを介して入力側に電位が逃げるので壊れることはない。
※寄生ダイオードに頼りたくないときは、出力から入力の向きにダイオード設置


 その逆流分が ACアダプタ まで行ってしまうことのないよう、ここでもショットキーダイオード 1S3 で保護。


 あと副産物的な効果ではあるが、昇圧モジュールが常に出力設定 18V で待ち構えているので、瞬発的な電力要求に ACアダプタ が悲鳴を上げて電圧降下を引き起こした時、18V を下回ることがないようにアシストしてくれる。
 HDD 3台が同時にスピンアップしても平気なのは、この辺が作用しているかもしれない。
※本当にアシスト発動してるか測定はしていないが・・・


http://dl.ftrans.etr.jp/?738e71d63b894b1eab8673e182195f30843e90f1.jpg


 ケースはダイソーのスタッカブルキャビネットで、最下層がストレージ(SSD+HDD×3)、その上がマザーボード(J3160DC-ITX)、その上(上段の2段)が電源、という風。